WTI原油、6年ぶりの安値に転落 -- しかし、まだ下げ足りない??

* WTI原油が、たった今42ドルを割り6年ぶりの安値に転落した。 -- ビジネス・インサイダー
* 去年の12月(原油価格は60ドル代だった)、新債券王として知られるガンドラック氏は、こんなことを語っていた。「今日、原油は極めて重要だ。私は、そこまで下がることは望んでいないが、もしブレント原油が40ドルまで下げるなら、米10年国債の利回りは1%に下がることだろう。1バレル40ドルの原油が意味することは、単に経済的な問題ではなく、世界が極めて異常な状態であることを示している。率直に言えば、待ち受けている地政学的な結果が怖い。」
チャート: ゼロヘッジ
上のチャートで分かるように、原油価格の急騰、そして大幅下落という状況では、ガンドラック氏が指摘しているように、様々な地政学的経済的事件が起きています。たとえば、1997年のアジア通貨危機、2000年のハイテク株暴落、そして2008年には金融危機が起きています。チャートの右下を見てください。Venezuela, Russia Crises?、と記されているように、ゼロヘッジはベネズエラとロシア危機が起きそうだ、と予想しているようです。

WTI原油価格に連動するETFの日足チャートを見てみましょう。


下げが止まりません。Aで示しましたが、3月の安値がサポートになり原油はやや反発しました。しかし買いは続かず、三日後にはサポートラインを簡単に割ってしまいました。これだけ一方的な下げ方ですから、「いくらなんでも売られすぎだ」、と思ってしまいますが、乖離率という視点から見ると原油価格はまだ下げ足りません。


ETF価格が、200日移動平均線から、どれくらい離れているかを見たものです。先ず、現在のETF価格の乖離率はマイナス29.91%ですから、200日移動平均線から約30%離れています。Aの安値が記録された時はマイナス48.55%、そしてBの安値での乖離率はマイナス45.15%でした。現在の数値はマイナス29.91%ですから、極めて低い水準ではありません。

さて、原油のETFは、どのへんまで下げるでしょうか?ピッチフォークを入れてみました。


下限(A)が目標になりますから、もしそこに達するとETF価格は12ドル割れとなり、今日の200日移動平均線値で計算すると乖離率は40%を上回り、AとBで記録した数値に接近です。

乖離率だけを見て「原油はまだ下がる」、と結論するのは極端ですが、下のチャート(世界の原油供給量)を見てください。

チャート:ビジネス・インサイダー
原油価格は下げ止まらない状態ですが、原油供給量は増え増え続け、ビジネス・インサイダーによると、国際エネルギー機関は供給過剰は2016年の終わりまで続くという見方を発表しています。更に、人民元が引き下げられドル高が当分の間続きそうですから、投機家たちは現時点で原油を積極的に買う気にはなれないことでしょう。

(参照した記事:Crude oil is sliding to new lows

GUNDLACH: If oil goes to $40 a barrel, something is 'very, very wrong with the world'

Jeff Gundlach: "If Oil Drops To $40 The Geopolitical Consequences Could Be Terrifying"

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