2015年8月22日土曜日

住宅市場が、崩れ始めた米国株式市場を救う!?

大きな陰線の出現です。


S&P500指数の週足チャートですが、今週は5.77%の大幅下落となり、とにかく久しぶりに見る大陰線です。「高値圏での大陰線出現は売りシグナルである」、と一般的に解釈されていますから、多くの人たちは来週のマーケットを心配していることでしょう。
こんな状況ですから、今週末は悲観的な報道で溢れていますが、トム・リー氏(Fundstrat)の強気姿勢に変化はありません。
ブルマーケットを信じる最も重要な理由は回復が続く米国住宅市場だ。7月の住宅着工件数は年率換算で120万6000件に達し、これは7年ぶりの高数値だ。住宅着工件数は今後も成長することが予想され、一般的な天井である170万から200万件に達することだろう。住宅建築が米国のGDPを占める割合は3.3パーセントだが、少なくとも5.5パーセントに成長することが予想される。このような大幅成長は、エネルギー・セクターの大幅下落を帳消しにする。私たちの計算によると、住宅着工件数が年率換算で137万4000件に達すれば、エネルギー・セクターの40%下落は帳消しになる。
グラスキン・シェフのストラテジスト、デビッド・ローゼンバーグ氏も「米国の住宅市場は火が付いたように好調であり、この勢いはまだ続く」、という意見を述べています。


上は住宅建築株指数の週足チャートです。今週のローソク足は、失速を示す上ヒゲ(A)が形成されていますが辛うじて陽線で終了しました。今週は0.92%の上昇ですから、S&P500指数のマイナス5.77%を大幅に上回っています。

トム・リー氏の論法は、「住宅市場が強いかぎり米国のブルマーケットは続く」、ということですから上のチャートに赤い線で入れたトレンドラインに注目です。ダウ平均、S&P500、ナスダック、そして小型株指数のラッセル2000は既に大きく崩れています。はたして住宅セクターだけで、この崩れ始めた米国市場を救うことができるのでしょうか。

下は、2014年1月から現在までの米国の中古住宅販売件数の様子です。

チャート: セントルイス連銀
明らかに上昇、販売件数は伸びています。下は、同期間の住宅ローンの申し込み状況です。

チャート: Trading Economics
今年1月に突発的な跳ね上がりがありましたが、全体的に言えることは横ばい状態であり、住宅ローンの申し込みに大きな伸びはありません。しかし、住宅の販売件数は確かに増えています。これは何を意味するのでしょうか。

普通なら、住宅を購入する際は住宅ローンを利用します。ですから、住宅販売件数の上昇は、住宅ローンの申し込み件数の上昇を伴う筈です。しかし、現状はローンの申し込みは横ばいという状態で住宅販売件数が増えている訳ですから、多くの住宅はローンの必要の無い人たちが買っていることになります。要するに、100%現金で買っている人が多いのです。

言うまでもなく、100%現金で家を買うことができるのは富裕層、そして豊富に資金を抱える投資家たちです。好調な住宅市場を継続させるためには、一般市民も住宅購入に参加する必要があり、富裕層の人たちも住宅買いを継続する必要があります。しかし、問題はこれです。

チャート:セントルイス連銀
中古住宅の中間販売価格です。現在のレベル(A)は住宅バブルで記録した高値を超え、史上最高のレベルに達しています。こんな高くなった住宅を、一般市民が手軽に買えるでしょうか。もちろん、答えは「ノー」です。となると、現状で住宅を購入できるのは富裕層と資金が豊富な投資家だけです。

今のところ、富裕層は住宅価格を気にせずに買っていますが、遅かれ早かれ彼らも住宅価格に割高感を感じる日がやって来ます。それがいつになるかは分かりませんが、住宅は一般市民の手から、ますます遠ざかって行くことは確かです。

(参照した記事:ROSENBERG: 'The US housing market is on fire'

TOM LEE: Here's the most important reason to still believe in the bull market

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