米国住宅市場: パーティーは終わりに近づいている!?

今週の米国株式市場の結果:

ダウ工業株30種平均: +0.69%

S&P500指数: +1.16%

ナスダック総合指数: +0.78%

特に好調だったのは住宅建築株です。


住宅建築株のETF、iShares US Home Construction (ITB)の日足チャートです。今週は4.64%の上昇となり、4月の高値に迫っています。米国住宅市場は絶好調、といった雰囲気ですが、こういうニュースもあります。
2015年第2四半期の米国の持ち家率は、1967年以来最低の63.4%に下落した。第1四半期は63.7%、前年度同時期は64.7%だった。(CNBC)
CNBCによると、持ち家率のピークは2004年の69.2%、そして過去50年間の平均は65.3%です。リンゼー・グループのピーター・ブックバー氏は、「持ち家率を改善しようと政府は多額な資金を市場に注入したが、全く何の役にも立っていない」、と語っています。

チャート:セントルイス連銀 
上のチャートで分かるように、持ち家率は下げが続き、これとは対照的に下のチャートが示すように家を借りる人たちの数は増え続けています。

チャート:セントルイス連銀
この統計が始まったのは2000年4月、単位は1000です。

こういうニュースがあります。
米国の多くの地域では買い手が殺到し、住宅市場は完全に売り手が有利な状態、そして不動産業者は笑いが止まらない。全米不動産協会の最近の発表によると、住宅価格の中央値は23万6400ドルに達し、これは2006年の狂気的な住宅バブル時に記録した価格を2.7%上回っている。
下が住宅価格の推移です。

チャート:セントルイス連銀
持ち家率は歴史的なレベルに低下、住宅を借りる人は年々上昇、しかし今日の住宅市場は好調であり住宅価格は市場最高レベルを記録です。

こんなに住宅価格が上昇してしまったのでは、一般の米国市民は家を買うことはできません。

チャート:ブルームバーグ
米国人の給料、労働賃金の上昇率です。ブルームバーグによると、第2四半期の伸び率はたったの0.2%であり、これはこの統計が1982年に始まって以来最低の上昇率です。右下がりの上のチャートを一見すると直ぐ分かることですが、米国市民の収入は働けど中々上がらない、といった状態です。

チャート:セントルイス連銀
上のチャートには、米国世帯の実質年間所得の中間値の推移が示されています(2014年9月の中間値は5万1939ドル)。1990年代の後半がピークになり、人々の所得は減っている状態です。デトロイトやセントルイスなどの治安の悪い場所なら年収が3万5000ドル以上あれば家を買えますが、多くの都市では5万ドルを超える年収が必要になり、サンフランシスコの場合は最低で14万2448ドルの年収が必要になります。
2012年以来、未公開株式投資会社は米国の主要地域で数十万件にのぼる住宅を買い占め、それらを人々に貸している。更に、一般の中小投資家も住宅市場に積極的に参入し、住宅価格は高騰した。しかし、こんな状態は永久に続くことはない。パーティーは終わりに近づいている。 -- ウォルフ・リクター(ビジネス・インサイダー)
繰り返しますが、現在の米国住宅価格は、2006年の住宅バブル時を上回る高レベルに達しています。一般の人々には手の届かない高額ですから、この住宅価格を支えるためには、裕福な人々が住宅を買い続ける必要があります。言うまでもなく、不動産も株のような投資ですから、価格が永久に上昇することはありません。「パーティーは終わりに近づいている」、というリクター氏の言葉を頭に入れておこうと思います。

(参照した記事:Homeownership rate drops to 63.4%, lowest since 1967

'Housing Bubble 2' has bloomed into full magnificence

Quarterly Increase in U.S. Worker Pay Smallest on Record

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