決定的にサポートを割った金、心配な更なるマージン・コール

2分間という短い時間で、一日の出来高の五分の一に相当する金が投げ売られた。 -- ビジネス・インサイダー
事が起きたのは上海の金市場です。現地時間の午前9時半少し前、たったの2分という短時間で5トン相当の金が売却されました。一日の平均取引量は25トンということですから、いきなり現れた膨大な売りで金価格は5年ぶりの安値に転落です。

15分足チャート
金の下げは昨日今日に始まった訳ではありません。ピークとなった2011年の夏から先週金曜の終値で計算すると、金は40%の下落、正に投資家たちから見放された存在です。これだけ大きく既に下げているにもかかわらず、なぜ今日こんなに大量の金が売られたのでしょうか?
・ 公表された中国の金保有量は思ったほど大量ではなかった。(大橋ひろこ氏のコモログを参照ください。)
・ 「今年中に金利引き上げを検討している」、というイエレン議長の再発言でドル高となり、金だけでなく商品市場全体に売り圧力が高まる結果となった。
・ 金を保有する確固とした理由が無い。人々が求めるのは高配当、高利回りの投資であり、金には配当も利子も無い。
ANZバンクのアナリスト、Victor Thianpiriya氏は更にこのような急落原因を挙げています。
・ 市場の低い流動性を利用して金価格の下げを狙った大量の売り。
・ マージン・コール(証拠金請求)による強制的な売り。
マージン・コールという事態が発生している投機家の具体的な数は分かりませんが、その数は一人や二人ではない筈です。特に今日の大幅な下げが原因となって、更に多くの投機家にマージン・コールが発生したことでしょうから、Thianpiriya氏は「もう一波乱あることだろう」、と語っています。

他に注目するべき点として、Thianpiriya氏は、こんなことも指摘しています。
2014年以来サポートになっていた1130ドルが崩れ、金は決定的な打撃を受けた。短期的には1085ドル~1050ドル付近がサポートになり、割ってしまった1130ドルが固いレジスタンスになりそうだ。
更に、金のETFからの資金流出も心配材料だ。先週金曜に発表されたSPDRゴールド・トラストから流出した資金は金11トン以上に相当し、2013年の場合はETFからの資金流出が金価格下落の主要因の一つとなった。
これは少し古いデータになるが、7月14日時点で投機家が保有する金の買いポジションは5万コントラクト(枚)、そして空売りポジションは買いを圧倒的に上回る18万コントラクト(枚)だ。現在の金市場のセンチメント考えると、空売りの買い戻しが直ぐに起きる可能性は低い。

(参照した記事:中国金保有量公表に失望の金、半値押しで下げ止まるか?!

China dumped a huge amount of gold on the market and investors are spooked

Why Gold Is Slumping to a 5-Year Low

コメント