米国株式市場: 目立って強いのはバイオテクノロジー、低迷は輸送株

今年ここまでのS&P500指数は+0.89%になり、下の表が、主なセクターETFの同期間の成績です。(1月2日の終値から7月10日の終値で計算)


* バイオテクノロジー: +21.69%

* ヘルスケア: +9.69%

* 住宅建築: +8.75%

* 小売: +4.85%

* テクノロジー(ハイテク): +0.41%

* 金融: -0.36%

* 素材: -1.95%

* 半導体: -2.92%

* 資本財: -4.14%

* 不動産: -5.17%

* 公益事業: -9.42%

* 輸送(運輸): -10.08%

圧倒的に強いのはバイオテクノロジー、そして輸送株の低迷が目立ちます。ダウ理論を引用する人たちは、冴えない輸送株を市場の心配材料に挙げ、S&P500指数は輸送株を追って大きく下げることになるだろう、と主張しています。

もう一度、上の表を見てください。全部で12のETFですが、プラスなのは半数以下の5つです。しかし、テクノロジーはたったの+0.41%ですから、実質的にはプラスは4つだけと言って差しつかえないと思います。S&P500指数は高値圏で横ばいが続いていますが、高値を更新するためには、半導体や金融株などの健闘が必要です。

第4位には小売のETFが入っていますが、小売が好調である一因として、ビジネスインサイダーにはこんなチャートが掲載されています。

ビシネスインサイダー
HELOC(ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット)の残高の推移です(単位は10億ドル)。
ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット: 持ち家の純資産価値を担保として、利用可能残高まで、デビットカードや小切手の振り出しを通じて借り入れをすることである。借り手の与信限度額は定められているものの、借り手は融資の全額を一括で受け取るのではなく、限度額まで何度でも引き出しができる。(証券投資用語辞典
2009年、2010年の底から脱出し順調に増え続けています。この勢いで増えて行くと、そう遠くない将来に2007年のピーク(住宅バブル)に達しそうです。現在の状況は、持ち家を担保にして借りた金で、多くの米国民がショッピングを楽しんでいる、と言い換えることができるかもしれません。もちろん、金利引き上げとなればホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジットの利率も上昇しますから、金利引き上げは小売にある程度のマイナス材料となりそうです。

さて、S&P500指数の来週の注目はこれです。

S&P500指数(日足)
レンジが形成されています。上限(2085)を突破するなら買い、下限割れ(2044)は売りシグナルです。特に、下限割れは200日移動平均線(赤)を決定的に下回ることになりますから、2044は重要なレベルです。

(参照した記事:GUNDLACH: This looks like a sign of an American consumer borrowing frenzy

コメント

匿名 さんのコメント…
コンニチハ
度々ですみません、
昨晩、IYT(ダウ輸送株)は出来高を伴って
再び下落しました。
昨今下値は450日w線を割り
400日wに戻し
右下がりの25日線に追い付いたと想ったらです。
IYTを買っている訳ではありませんが
私もダウ理論的な部分を気にしてます。
イエレン証言で不安定な地合だったとは言え
相場的にはそんなに酷い状況ではなかったので
目立ちます。
IYTだけ(でもないが)落ちた理由らしいもの
があったら教えてください。
T Kamada さんの投稿…
匿名さん

これといった具体的な話ではないですが、こんなことが語られています。今週から、次々と輸送会社の決算が発表されることが心配材料の一つになっているようです。それから、ブーン・ピケンズ氏が原油価格に関する強気論を先週再発表し、これが輸送株を売る一因となったという意見もあります。
匿名 さんのコメント…
日本からなのでオハヨウゴザイマス
アリガトウゴザイマス
イラン国際市場復帰で原油はまだ低迷しそうな気もしますが、
アメリカのトラフィックが低迷している?!