米国株式市場: 強気論者数は2年ぶりの低レベルに転落

毎週木曜、AAIIから個人投資家たちのセンチメント(投資感情、投資心理)が発表されます。
今回の結果:(6ヶ月後の株式市場は、現在より高くなっているか、それとも安くなっているか、という質問に対する回答です。)
・ 強気: 27.1% (前回から3.8ポイント減。 歴史的平均値 38.89%)
・ 中立: 46.1%(前回から1.1ポイント減。 歴史的平均値 30.82%)
・ 弱気: 26.8%(前回から4.9ポイント増。 歴史的平均値 30.29%) 

強気センチメントは2年ぶりの低数値が記録され、AAIIのチャールズ・ロットブロット氏は、こう述べています。

強気センチメントは極めて低いレベルに転落し、その一方、中立センチメントは相変わらず高い水準を維持している。歴史的に見た場合、現在のような状況が起きると、その後6ヶ月から12ヶ月にわたる株式市場は平均以上の伸びになる傾向がある。
強気センチメントが減っているという状況は、こんなところにも見ることができます。

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先週(5月1日~5月7日)、資金が最も流出したETFのトップ10リストです。1位はジャンク債のETF、2位はナスダック株のETF、3位はS&P500銘柄に投資しているETFと続くのですが、ひとつ気になることがあります。

ジャンク債や株ETFだけから資金が逃げているのではなく、普通なら資金の避難場所として選ばれるものからも資金が流出しています。具体的に言うと、第4位の米長期国債のETF、第7位の米中期国債のETF、そして第10位にランクされている格付けの高い優良社債専門のETFです。

米株は信用できない、米長期中期国債は信用できない、ジャンク債は信用できない、そして優良社債も信用できないという状態ですが、投資家たちはどこへ資金を移動させているのでしょうか?

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先週(5月1日~5月7日)、資金が最も流入したETFのトップ10リストです。第1位は、1年から3年までの米短期国債ETF、そして、第2位から10位を見て言えることは、テーマはヨーロッパと新興市場国です。

投資家たちは、中期長期米国債を売って短期国債へ資金を移動させている状態ですが、これは何を意味するのでしょうか?CNNマネーに、こんな質問が寄せられています。
金利が引き上げられると国債が売られると思います。長期国債を売って、資金を短期国債へ移すべきでしょうか?それとも、国債市場から完全に撤退するべきでしょうか?
上の表で分かるように、現在起きているのは長期国債から短期国債への移動ですが、質問に対する回答を見てみましょう。
先ず指摘したいことは、金利引き上げという状況で、国債がどう動くかを予想することは極めて難しいことです。専門家たちは、過去5年間にわたって国債市場の暴落を言い続けていますが、そのようなことはまだ起きていません。2013年、バンガード社から国債に関する興味深いレポートが発表されており、要点はこれです。「国債価格の予想は、株価予想と同様に難しい。」
次に指摘したいのは、株は50%を超える暴落といったことが起きますが、国債や優良社債が10%を超える下げとなるのは極めて稀なことです。金利引き上げで、たしかに一時的に国債や国債ファンドが被害を受けることがありますから、老後のための資金は短期中期の国債、そして優良社債に投資することを勧めます。

ということで、資金は短期と中期国債や優良社債へ移すべきという回答ですが、こんなことも追記されています。
資金をもっと守りたい、と心配になる人は、資金の一部を短期国債や短期優良債へ移すことを勧めます。更に、TIP債(インフレ連動国債)も考慮されると良いと思います。
似たことが2013年に起きています。金利の上昇を心配した投資家たちは長期国債を売って、短期国債ETFや短期国債ファンドへ資金を移動させました。当時PIMCOに在籍していたビル・グロース氏は短期優良債への投資を勧め、今日もこの考えに変化はありません。


黒い線は長期金利を示す10年国債の利回り、赤い線は資金が先週最も流入した短期米国債ETFの価格推移です。見てのとおり、長期金利は変動が大きいですが、短期国債ETFは動きが小さく安定しています。金利引き上げが近い、という心配意見が多い今日ですから、短期国債ETFは更に資金を集めそうな様相です。

(情報源:AAII Sentiment Survey: Optimism Falls To A 2-Year Low

Don't give in to bond market hysteria

Bill Gross Cautious on Rate Hike in 2015: 2 Investment Grade Bond Funds to Buy

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