買いと売りシグナルが混在する米国債

イエレン議長: 「株はひじょうに割高だ。」 「長期金利はとても低い水準にある。」
バイオテクノロジー株は割高だ、という発言を以前したことがありますから、イエレン議長が株に関してコメントするのは、これが初めてではありません。しかし、FRB議長という立場にある人の言葉ですから、マスコミはニュースとして早速取り上げ、ツイッターもこれに関するツイートで溢れています。

イエレンFRB議長、株価「とても割高」 利上げ「金利急上昇に注意必要」
2015/5/7 0:42日本経済新聞 電子版
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は6日、ワシントン市内で開いた講演後の質疑応答で、足元の米株式相場に関して「一般的に言うと、とても割高だ」と述べた。
単純な見方ですが、イエレン氏の言葉はこう解釈できます。
* 株はひじょうに割高だ> 株を売却するべきである
* 長期金利はとても低い水準にある> 米国債は割高である
先ず、米国株式市場のバロメーターである、S&P500指数の日足チャートから見てみましょう。


マーケット終了まで約55分を残し、指数は0.8%ほど下げています。この下落の全てはイエレン議長が原因だ、とは言いませんが、議長の言葉に従って、株を早速売った人がいることは確かです。

赤い線は200日移動平均線です。見てのとおり上昇中ですから、長期トレンドのアップトレンドに変化はありません。

次に週足チャートを見てみましょう。


2本の矢印の方向で分かるように、RSI(相対力指数)は既に下げが始まり、ダイバージェンスという現象が起きています。S&P500指数の上昇勢いの衰えが示されている訳ですから、皆が心配している調整が近い可能性があります。

* 長期金利はとても低い水準にある> 米国債は割高である
米国債の売りは既に始まっています。下は、米長期国債のETFです(日足チャート)。


1月のピークから約13%の下落、そして、200日移動平均線を決定的に割っています(A)。RSI(相対力指数)は30を割り(B)、テクニカル的には国債は売られすぎです。はたして、ここで買い手は現れるでしょうか?

見てのとおり、200日移動平均線は相変わらず上昇しています。グランビルの法則によると、現在の状況は買いチャンスです。買いシグナルは4つあり、2番めにこう書かれています。
移動平均線が上昇を続けている時に、終値が平均線の下に来た時。(押し目買い) (日刊ゴールデンクロスから抜粋)
もちろん、買い手は、そう簡単に現れないことも考えられます。


ヘッド・アンド・ショルダーズが形成されている、と解釈して既に空売った人たちは、108付近を目標にしています。言い換えると、国債のETFは、現在のレベルから更に10%ほど下げる可能性があります。

国債が売られると利回りが上昇します。下は、10年債の利回りチャートです。


現在の利回りは2.240%、200日移動平均線を一年ぶりに突破です。グランビルの法則によれば、下降する200日移動平均線の突破は売りシグナルです。
移動平均線が下落を続けている時に、終値が平均線の上に来た時。(戻り売り) (日刊ゴールデンクロスから抜粋)
もちろん、利回りの上昇は、もうしばらく続くというシナリオもあります。


逆ヘッド・アンド・ショルダーズの買いパターンです。このシナリオで行くと、目標利回りは2.80%になります。

イエレン議長は、金利をまだ引き上げていませんが、国債市場では金利引き上げが既に起きている状態です。膨大な負債を抱える米国にとって、この利回りの上昇は嬉しいニュースではありません。

追記: こういう意見も出ています。「2.24%の国債利回りは、海外の投資家たちに魅力的なレベルだ。積極的な買い手が現れるのは時間の問題であり、米国債の下げは、そろそろ止まることだろう。」


(情報源: Live Squawk 

Yellen says stock valuations are ‘quite high’

イエレンFRB議長、株価「とても割高」 利上げ「金利急上昇に注意必要」

グランビルの法則)

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