なんとなく分かる株スペシャリストの話

証券取引所でスペシャリストをしていた人から聞いた話です。先ず、下のチャートを見てください。



株価はサポートラインに支えられているようだから、このあたりで買ってみよう、と1のローソク足で買った人がいた筈です。



1で買った場合、その次のローソク足はサポートラインを割っていますから、あっけなくそこで損切りです。しかし、2のローソク足を見てください。株価は割ったサポートラインの上に戻っていますから、「ブレイクダウンはダマシだった。やはり買いが正しかった」、と判断して再度買い出動した人もいたことでしょう。もちろん、3のローソク足で分かるように、結果的には2での買いは間違いでした。

「違う、そうではない。間違っているのはサポートラインの引き方だ」、という意見もあります。



なるほど、こういう引き方をしていれば、1と2で買うことはありませんでした。単なるサポートラインなのですが、チャートの見方は主観的なものですから、全てのトレーダーが同じ位置に線を引くとは限りません。

下のチャートはアップトレンドでしょうか、それともダウントレンドでしょうか?


青い矢印が示すように、全体的に見た場合はアップトレンドだ、と判断した場合は買いのチャンスを探すことになります。しかし、入れた6本の短い赤い線が示していることは高値と安値が右下がりですから、トレンドはダウントレンドです。上昇しているのか、それとも下降しているのかという簡単な質問ですが、これもサポートラインの引き方と同様に全ての人の意見が一致することはありません。

チャート上に形成されているパターンは、更に主観性の高いものになります。メガホンが形成されている、三角形が形成されている、といったことをよく聞きますが、もちろん全ての人にそれが見える訳ではありません。

ファンダメンタルに関する判断も簡単ではありません。たしかに素晴らしい決算なのだが、思っていたほど既存店の売上は増えていなかったなどといったことが材料となって株価は下げることがありますから、たとえレポート内容が9割9分良くても株価が必ず上がるという保証はありません。

スペシャリストは、「誰が見ても同じ結論を出すものを見てトレードすることが大切だ」、ということを強調していました。一例として挙げられたのは、二つのローソク足です。


大陽線、そして下が大陰線です。


大陽線を見て「弱い」と判断する人がいないように、大陰線を見て「強い」と判断する人はいません。もちろん、こんなに長い陰線だから売り物出尽くしだ、と判断して買い出動することもできますが、はたしてそれが本当のマーケットからのメッセージかどうかは分かりません。

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