恐怖が株の買い材料だ!?

ダウ平均は1万8000に戻り、ナスダックは5000を突破、小型株指数のラッセル2000は新高値を記録した。海外では日経は2万レベルに急速に迫り、ドイツのDAXは初めて1万2000を超えた。中国の株も同様だ。上海総合株価指数は2月の安値から16%も上昇している。(The Fiscal Times)
好調な株式市場が続いていますが、何が買い材料となっているのでしょうか?ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏は、こんな説明をしています。

シラー氏(写真 ZIMBIO)
株が買われているのは、人々が株式市場に興奮し楽観的になっているからではない。現在の株式市場に起きているのは投資のニュー・ノーマル・ブームだ。全ての要素は揃っているが、一つ欠けているものがある。人々は、株式市場の将来を楽観視などしていない。現在の株式市場を押し上げているのは楽観的な見方ではなく、基盤になっているのは「恐怖」だ。
アメリカの場合、そんな感じだと思います。ナスダックは5000を突破、小型株指数は史上最高値を記録、と明るいニュースが最近報道されているのですが、人々はそんなことに全く興味は無い、といった様相です。1990年代のバブルの時は皆が興奮し、次々とデイトレーダーが誕生したものでした。とにかく、全員参加型のマーケットが展開されている状態でしたから、大学生からお年寄りまでが株の話をしていました。

繰り返しになりますが、今日のマーケットには人々の熱狂的な姿を見ることはできません。私のように株をトレードしている者だけがマーケットの話をするだけで、友人たちはマーケットの事など話題にもしません。正に、シラー氏が言うように「ニュー・ノーマルな投資ブーム」です。ファンド・マネージャーたちは、将来を楽観して株を買っている訳ではありません。下のチャートを見てください。

資料:バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ
1はiShares MSCI ACWIというETFの値動きが示されています。このETFは米株、日本株、ヨーロッパ株、中国株、と世界的に広く投資しています。2の赤い線は予想される1年先の一株利益です。円で囲った部分(3)、最近の様子を見てください。ETF価格は上昇が続いていますが、予想される一株利益は明らかに下げ方向です。将来的な見通しが暗い中での株高ですから、The Fiscal Timesはファンダメンタルズが無視され、今日の株高原因は世界の中央銀行による市場への資金注入である、と結論しています。シラー氏は「恐怖」が買い材料と述べていますが、中央銀行という強い味方がついている限り株の上昇は続く、現時点では株の暴落などありえない、とファンド・マネージャーたちは安心しているように見えます。

上記したように、今日のマーケットには興奮する大衆の姿は見えません。しかし何かのキッカケで大衆がマーケットに大々的に戻って来たら、これから最後の買いのクライマックスが起きる可能性があると思われます。

(参照した記事:ROBERT SHILLER: It's not euphoria driving this stock market boom — it's fear

Forget the Fundamentals, This Market Is About Just One Thing

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