トレーダーコーチが語る質と量の話

トレードで損が出た場合、あなたはどのように対処するでしょうか?トレーダーコーチとして知られるブレット・スティンバーガー氏は、次の三つのタイプをあげています。

スティンバーガー氏(写真:forbes.com)
1、トレードの株数を増やして、とにかく損を早く取り戻そうとトレードを継続する。
2、敗けた嫌な気分を解消するために、しばらく休憩する。場合によっては、翌日までトレードを再開しない。
3、敗けた後は直ぐにトレードに戻らない。先ず、なぜ損が出たかを徹底的にトレードを分析し、答えが得られたらトレードを再開する。
ご察しのとおり、口座資金のほとんどを失ってしまうのは1のトレーダー、最終的に成功するのは3のトレーダーです。

「感情をコントロールし、禅僧のようにいつも平成な気持ちでトレードに臨むことが大切だ」といったことが一般的に言われている。しかし私が見る限り、成功しているトレーダーには「勝つのだ、利益を上げるのだ」という極めて強い情熱がある。敗けた場合は普通のトレーダーのように感情的になるが、違いは失敗から学ぶことを決して忘れないということだ。
トレードだけに限らず、失敗から学ぶことの大切さは多くの人たちが指摘していることですが、スティンバーガー氏は失敗の頻度に関するこんな実例を紹介しています。
学生たちに粘土で壺を作ることが命じられた。学生たちは二つのグループに分けられ、Aグループの学生には、とにかく素早く沢山の壺を作ることが命じられ、Bグループには質の高い壺を作ることが命じられた。
テスト期間が終了し作品を調べた結果、面白いことが分かった。芸術的に優れた作品を作ったのは、量産が命じられたAグループの学生たちだった。質を重要視することが命じられたBグループの作品は確かに間違いは少なかった。しかし、あまりにも時間をかけてゆっくり壺を作ったから、とうぜんの結果として作品数は少なかった。
質よりも量が重要視されたAグループは、とにかく沢山の壺を作り、もちろん間違いが目立つ失敗作も多かった。しかし量産したお陰で、学生たちは何度も練習することが可能になった。前回は失敗してしまったから今回は気をつけてやろう、と学生たちは良い作品を生み出すために必要な経験を積むことができたのだ。
なかなか興味深い話だと思います。「トレードは慎重に行うべきである」、という言葉に同意する人が多いと思いますが、石橋を叩いて渡るようなトレード態度では肝心な数をこなしてトレード経験を積むことができません。とにかく積極的にトレードをすること、そして損が出た場合は3番めのトレーダーのように、なぜ損が出たかを突き止めることが大切です。

「人生はスポーツ・トレーニングと同じである」、とスティンバーガー氏は言います。

もしあなたが筋肉トレーニングをしているなら、軽いバーベルをいつまでも使い続けるようなことはしない。更に10キロ、そして更に10キロと重さを増やしていく筈だ。重さが増えると軽い時のように何回も持ち上げることはできない。しかし、そこでダメだと挫折するのではなく、重くなったバーベルは新チャレンジだと前向きな姿勢を持つことが必要だ。最初から簡単に成功できる人などいない。先ず失敗すること。なぜなら、失敗無しで技術を向上させることは不可能だからだ。

(参照した記事:Turning Setbacks Into Successes

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