ドル高、強い向かい風に直面する米国の国際企業

チャート: Forbes.com
上のチャートにはユーロ・ドルの1999年からの推移、そしてゴールドマン・サックスの予想が示されています。水色の影がついている部分は、ドルがユーロに対して上昇しているドル高の期間です。

現在のユーロ・ドルの為替レートは1ユーロ=1.0575ドルですが、ゴールドマン・サックスのアナリストは、ドル高はまだ当分の間続くことを予想しています。下が予想です。
3ヶ月後: 1ユーロ=1ドル2セント
6ヶ月後: 1ユーロ=1ドル
12ヶ月後: 1ユーロ=95セント
2016年末: 1ユーロ=85セント
2017年末: 1ユーロ=80セント
ということで、向こう2年間で、ユーロは更に24%の下落が予想されています。

既に報道されていることですが、強いドルは米国際企業の利益に悪影響となりますから、アナリストたちは米国際企業の株を避けることを勧めています。下は、いくつかの例です。
・ イーベイ(eBay): 今年の利益は6億ドルの減少となることが予想されている。
・ アマゾン・ドット・コム: 収益は既に9億9500万ドル減となり、今四半期の売上高は約5%の減少になりそう。
・ プロクター・アンド・ギャンブル: 今年の利益は10億ドルを超える減少になりそう。
他にもIBM、グーグル、マクドナルドの経営陣が強いドルの弊害について語っています。
強い米国経済がドル高の原因だ、という人たちがいるが、私は必ずしもそうだとは思わない。米国経済は、極めて強いと言えるような経済成長を展開していない。他国と比較すると、ヨーロッパとアジア経済の低迷が、あまりにも目立つのだ。 -- クリス・ミーカム(コーナーストーン・ウェルス・マネージメント)
アジアと欧州の経済がパッとしないのなら米株を買った方が良いと思うかもしれませんが、アナリストたちが実際に勧めているのは、割安な日本とヨーロッパの株です。米国のブルマーケットは既に7年目に入り、ドル高、割高、差し迫る金利引き上げなどを考えると、現時点では積極的に米株を買うことができない状態です。

もちろん、全ての米株が買えない訳ではありません。現に、ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏は、利益のほとんどを米国内であげている企業の株を買うことを推奨しています。たとえば、大手銀行のウェルズ・ファーゴ、ソーラー・エネルギーのファースト・ソーラー、確定申告ソフトで知られるイントゥイット、鉄道のユニオン・パシック、小売店のダラー・ジェネラル、そして医療保険会社ユナイテッド・ヘルスなどです。

繰り返しになりますが、ドル高は米国際企業の収益に悪影響です。記録的な決算を発表したアップルのCFO(最高財務責任者)によれば、このドル高がなければクリスマス・シーズン四半期の売上高は更に4%ほど高くなっていただろうとのことです。

約2ヶ月前ですが、ビジネス・インサイダーは、こんなことを指摘しています。
米国の国際企業は強い向かい風に直面している。5ヶ月前、ヨーロッパの人々は1000ドルの米国製品を745ユーロで買うことができた。しかし今日、同じ製品を買うために、ヨーロッパの消費者は900ユーロが必要だ。たった5ヶ月で、米国製品は21%も値上がりしてしまったのだ。
ゴールドマン・サックスによれば、S&P500指数に属する企業の売上の33%は海外からのものです。18日に発表されるFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文から「辛抱強い」という言葉が削除されることが予想されていますが、もしそうなると更なるドル高となる恐れがあり、企業はいっそう強い向かい風にさらされることになります。「辛抱強い」の削除は、イエレン議長が更なるドル高を容認していることになりますから、18日のFOMC終了後の為替市場の動きに注目です。

(参照した記事:Buy American? Goldman Says Ride The Wave Of Dollar Strength

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