1月の米雇用統計は非の打ち所が無い!?

(ブルームバーグ):米雇用統計によると、1月の雇用者数は市場予想を上回る伸びを示し、3カ月間の増加幅は過去17年間で最大だった。平均時給は前月比で0.5%増と、2008年11月以来の高い伸び。前年比では2.2%増と、昨年8月以来で最も伸びた。
ということで米国株式市場は買いが殺到し、ダウ平均は10%の急騰、、、とはなりませんでした。下がダウ平均の日足チャートです。


終値は17,824.29(-0.34%)、小さな陰線が形成されました。テクニカル的な言い方をすれば、買われ過ぎを示すストキャスティクス、それに直ぐ頭上にあるレジスタンス・ゾーンが意識され、この位置ではさすがに買い難かったようです。

テレビに出演したアナリストたちの話を聞いていると、今日のマーケットは絶対に上げで終了する、といった雰囲気でした。「今朝の雇用統計は非の打ち所が無い」、という超強気発言もありましたから、下げで終了した今日のマーケットにガッカリした投資家も多かったことでしょう。

言うまでもありませんが、現在のマーケットは2008年の正反対です。


ダウ平均の月足チャートですが、2008年は金融危機でマーケットは暴落となり、株を買おうなどと言う人は、ほとんどいない状態でした。今思えば、2008年の終わりから2009年の春にかけて株を買っておけば良かった訳ですが、世の中ではどんなことが報道されていたでしょうか?

2008年6月から2009年1月までの主な経済ニュース 

2008年

・ 6月7日: 原油11ドルの急騰、株式市場は大幅下落

・ 6月10日: リーマンに巨額な損、高まる危機感

・ 6月11日: いっそう顕著になった世界的なインフレの悪影響

・ 6月21日: フォード、トラックの売上大幅下落

・ 6月28日: ダウ平均はベアマーケット領域に転落

・ 7月12日: 大手銀行破綻、深刻化する金融危機

・ 7月16日: 証券取引委員会、空売りを規制

・ 9月8日: 米政府ファニーメイとフレディマックを国有化

・ 9月15日: ウォール街の危機、ふらふらなリーマン、売却されたメリルリンチ、資金繰りに難航するAIG

・ 9月17日: 米政府AIGに850億ドルの救済金

・ 9月26日: ワシントン・ミューチュアル米銀行史上最大の倒産

・ 10月14日: 米政府、大手銀行へ株と引き換えに資金注入

・ 10月28日: 東京株式市場は1982年の水準へ転落

・ 11月19日: 3大自動車メーカー、政府に救済資金の懇願

・ 11月24日: 米政府シティグループを救済

・ 12月17日: ほぼ0%に金利引き下げ

2009年

・ 1月3日: 製造業、世界的なスランプ

・ 1月10日: シティグループ業務縮小へ第1歩

・ 1月15日: 米政府バンク・オブ・アメリカへ数十億ドルの救済資金

とにかく悪いニュースが溢れていましたから投資心理は完全に冷え込み、株のことなど考えている場合ではありませんでした。言い換えると、マーケットの底付近で聞かれるのは悪材料ばかりです。

現在のように、マーケットが高値圏で推移している時は良いニュースが目立ち、今朝のアナリストの発言、「雇用統計には非の打ち所が無い」は好例です。繰り返しになりますが、問題なのは好材料が有ったにもかかわらず、今日のマーケットはマイナスで終了したことです。言うまでもありませんが、良いニュースで素直に買えなかった訳ですから、投資家たちは何かに不安を感じています。

今日の強い雇用統計で、今年中の金利引き上げは確実、という見方が更に強まりました。しかし同時に、こんな心配があることも確かです。

キース・マカルー氏のツイート: 「一つ言えることがある。FRBが愚かにも金利引き上げを実施するなら、米国はリセッションに落ち込むことだろう。」
過熱する雇用状況→金利引き上げ→景気後退、というシナリオが実現する可能性がある訳ですから、マーケットが高値圏にある現時点で株に新資金を積極的に割り当てる気にはなれません。




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