8年ぶりの平均時給大幅下落: 12月の米雇用統計

今朝の米雇用統計を見て、頭に直ぐ浮かんできたのはこれです。
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
石川啄木『一握の砂』
雇用統計の要約: 雇用者数は予想以上に増えた。失業率は下がった。時給も下がった。

マーケット・ウォッチから
上は平均時給の伸び率を示したグラフですが、見てのとおり12月はマイナス0.2%となり、報道によるとこれは8年ぶりの大幅下落です。

予想以上に非農業部門の雇用者数は増えたのですが、肝心な時給が下落しているということは、いったいどんな仕事が増えたのでしょうか?

ゼロヘッジから
赤い線は、時給が低いことで知られるウェイトレス、バーテンダーなどの飲食店で働く人たちの数、そして青い線は製造業に従事する人たちの数です。この調子で行くと、飲食店で働く人の数が製造業で働く人たちの数を上回ってしまうかもしれません。

もう一つの問題はこれです。

ゼロヘッジから
雇用創出状況です。灰色は55歳から69歳まで、赤は16歳から55歳未満の人たちを示します。、注目はゼロより下で推移している赤い線です。これが意味することは、失われた職数の方が創出された職数より多いということです。言い換えると、仕事にありついているのは高齢者であり、若い世代は職探しに苦労しています。

マイナス0.2%となった12月の時給は、前月の11月と比較した場合の数値になり、前年度同時期と比べると+1.7%です。
年率に換算した場合、米国の労働賃金成長率は+1.7%だ。しかし、イエレンFRB議長は「ノーマルな成長率は3.5%から4%」、と述べている。金利を引き上げるのは、米国経済がもっと回復してからだ。 -- ジャスティン・ウォルファーズ(ミシガン大学教授)
ビル・グロース氏(ジャナス・キャピタル)も、「今年中の金利引き上げは難しい」という見方を既に発表しており、こう語っています。
米国経済成長を継続させるためには、現在のような労働賃金上昇率では不十分だ。
更に、シカゴ連銀総裁も、「2016年になるまで利上げを見送るべきだ」、という考えを表明しています。

資料: セントルイス連銀 
労働賃金の上昇率です。現在の伸び率は景気後退期(灰色の部分)より低く、正に冴えない状態です。グルース氏が言うように、このような状況では、今年中の金利引き上げは難しいのではないでしょうか。

大幅下落となった12月の平均時給について、リン・リーサー氏(経済学者)は、こう語っています。
時給が減ったのは、低賃金の仕事が大幅に増えたからではない。製造業から金融サービス業までの広い業種にわたって時給が下げられている。
心配になるのは、このチャートです。

資料: セントルイス連銀
新規失業保険申請者数の4週間平均です。(灰色の部分は景気後退期) 赤い線を入れましたが、現在の位置は極めて低いレベルであり、ここ30年間を振り返ると、こいれ以上低いレベルに下がることはありません。言い換えると、米国の雇用状況は現在がピークであり、ここからは景気の後退を心配した方が良さそうです。

(参照した記事: ‘Amazing’ jobs report, apart from wages, economists say

Don't expect a big raise in 2015

シカゴ連銀総裁 2016年になるまでは利上げを見送るべきだ

The "Waiter And Bartender" Recovery: Most Food Service Jobs Added Since 2012

Old vs Young: The Story Of America's Two Labor Markets

ジャスティン・ウォルファーズ氏のツイート 

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