テクニカル・アナリストから警報: 米国株式市場は天井の形成中


「株式市場は大きな売りシグナルを発している」、という意味になります。ヤフー・ファイナンスに載っていた見出しですから、多数の人たちの目にとまったことでしょう。では、個人投資家たちは、マーケットに対して、どの程度不安を感じているのでしょうか?AAIIから個人投資家たちのセンチメントが毎週発表されますが、下が今週の結果です。
・ 強気: 44.2% (前回 37.2%) 歴史的平均値 39.0%
・ 中立: 33.4% (前回 32.0%) 歴史的平均値 30.5%
・ 弱気: 22.4% (前回 30.8%) 歴史的平均値 30.5%

投資家は強気になり弱気が減った訳ですが、44.2%という強気を示す数字は、まだ警戒するほど極端な数値ではありません。

Bespoke Investment Group
2009年から現在までの強気センチメントの推移です。赤い線はS&P500指数、黒い線が強気センチメントです。警戒すべき数値は50%を超える数字です。投資家たちが楽観的になり浮かれた状態になると数値は50%を突破し、そこが一時的なマーケットのピークになる傾向があるので、50%を上回る数字を見たら持ち株を利食うべきだ、と一般的に解釈されています。

さて、話を上に載せた見出しに戻しますが、「株式市場は大きな売りシグナルを発している」、と言ったのはMKMパートナーズのジョナサン・クリンスキー氏です。テクニカル分析が専門の氏は、売りシグナルの一例としてATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)を挙げています。
全体的に言えることは、過去2年間を振り返ってみると、S&P500指数は2003年から2007年のブルマーケットの時のように狭い値幅で動いている。しかし、ごく最近の動きだけに注目すると、S&P500指数のアベレージ・トゥルー・レンジはここ2年間で最高のレベルに達している。マーケットが天井を形成する段階では、このようにボラティリティが拡大するものだ。マーケットの性質が明らかに変化し始めている。
(注: アベレージ・トゥルー・レンジは変動率を示す指標で、ボラティリティを確認するために投資家やトレーダーたちが使っています。)

ボラティリティで有名なのは、「恐怖指数」の異名を持つマーケット・ボラティリティ指数(VIX)です。

マーケット・ボラティリティ指数(VIX)
投資家たちが不安、恐怖を感じているときは、1、2、3、4で示したようにマーケット・ボラティリティ指数(VIX)は跳ね上がり、そこがマーケットの底になる傾向があります。S&P500指数を重ねてみましょう。


赤がS&P500です。円で囲った部分が1、2、3、4に相当し、そこがS&P500指数の底になっている様子を見ることができます。

さて、現在の位置ですがボラティリティ指数は比較的高いレベルにありますから、そろそろマーケットが下げ止まり一転反発する可能性が示されています。「天井警報」を発しているクリンスキー氏は、ボラティリティ指数が1のような高レベルに達することを予想している訳です。

では、どんなことが起きたらボラティリティ指数は更に大きく跳ね上がるでしょうか?


S&P500指数の日足チャートです。赤い線で示しましたが、指数はサポートゾーンを現在テストしています。黒い線は、長期トレンドを把握するために多くの人たちが使っている200日移動平均です。サポートゾーン割れ、そして200日移動平均線を割るような事態が起きれば売りが殺到し、ボラティリティ指数は大きく跳ね上がることでしょう。

一般論は、「6年も上げ相場が続いているのだから、このへんで調整するのは当たり前」です。はたして、皆が皆下げを予想している状態で、マーケットは素直に下げるでしょうか?来週のマーケットは興味深い展開になりそうです。

(参照した記事:AAII Sentiment Survey: Optimism Among Individual Investors Rebounds

Stocks are flashing a major sell signal

コメント

lineの倍 さんのコメント…
ここ数ヶ月で多くの人のアセット見直しが生じ、2007年7,8月と同じく、GDX,GDXJが伸びるのではと期待しています。
すでに、IWM,IWCは昨年にピークを迎えており、順次アセットをS&P500の大型株に切り替えています。AAPLやGOOGの伸びの限界を感じてポートフォリオリアローケーションを行うときに、GDX,GDXJ、GLDが見直されることを期待しています。あと数か月かな、
http://finance.yahoo.com/echarts?s=^GSPC+Interactive#{%22range%22%3A%2210y%22%2C%22lineType%22%3A%22candlestick%22%2C%22indicators%22%3A{%22rsi%22%3A%5B{%22id%22%3A%22rsi14%22%2C%22name%22%3A%22rsi%22%2C%22params%22%3A%5B14%5D%2C%22lineType%22%3A%22line%22%2C%22color%22%3A%22%23cc4125%22%2C%22weight%22%3A1}%5D}%2C%22scale%22%3A%22logarithmic%22%2C%22comparisons%22%3A{%22GDX%22%3A{%22color%22%3A%22%23cc0000%22%2C%22weight%22%3A1}}}