心配な動きになってきたダウ輸送株指数

総合的に考えた場合、原油安が経済にプラスであるのなら、先ず注目されるのは輸送株だ。しかし、原油の下げが続いているにもかかわらず、最近5週間でダウ輸送株指数は2%の下落だ。-- マーク・ハルバート(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)
景気が良いときは人も物も活発に動きます。人を運ぶのは航空会社、荷物を運ぶのは運送会社ですが、下がダウ輸送株指数の日足チャートです。


11月に高値(1)を記録して以来、2と3で分かるように高値が切り下がり、買い手にもうひとつ力がありません。更に、20日移動平均線(赤)は下げ方向、そして50日移動平均線(青)は上昇から水平に変化していますから、短期中期の上昇力の衰えが明確です。

買い手たちを大きく心配させたのは10月(4)です。指数は単に20日と50日移動平均線を割っただけでなく、長期トレンドを把握するために広く活用されている200日移動平均線も割り、いよいよ米国市場はベアマーケット入りという様相でした。

なぜ輸送株指数が注目されるのでしょうか?理由の一つはダウ理論です。既に時代遅れ、役に立たないという反論もありますが、ダウ理論によると景気が上昇する局面では輸送株指数が先行して上昇し、景気が減速する場面では輸送株指数が先行して下がります。
数年前に発表された運輸省からのレポートによると、過去30年間を振り返った場合、貨物輸送サービス指数の下落は景気のスローダウンが始まる4ヶ月から5ヶ月前に始まっている。(マーク・ハルバート)
ハルバート氏によると、貨物輸送サービス指数は二ヶ月ほど遅れて発表されるので、現時点での数値は分かりませんが、動きはダウ輸送株指数とほぼ同一であるとのことです。

次に、ダウ輸送株指数の週足チャートを見てみましょう。


ダイバージェンスが起きています。1で分かるように指数は確かに上昇していますが、RSI(相対力指数)の方は以前の高値に達していません(2)。ひょっとすると、輸送株指数は天井を形成している可能性がありますから、米国経済の成長もそろそろピークに達する恐れがあります。

輸送と一口に言っても海運、陸運などの業種がありますが、既に大きく崩れているのは海運株指数です。

海運株指数(日足)

トラック輸送株指数、空輸株指数の短期トレンドは明確な下げ、そして中期トレンドを示す50日移動平均線は少し下向きになってきました。

トラック輸送株指数(日足)


空輸株指数(日足)

鉄道株指数は20日、50日移動平均線の両方が明確に下げ、短期中期トレンドは下げ方向です。


鉄道株指数(日足)

繰り返しになりますが、輸送株は景気を先行する傾向がありますから、輸送株指数のここからの動きには特に注意深い監視が必要です。

(参照した記事:What the oldest stock market index is telling us

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