太っている人は経済的に苦しい??


上は、スポーツニュースのレポーター、ダレン・ロベル氏のツイートです。
2014年、米国のレストランで注文されたハンバーガーの数は90億個におよび、これは2013年の量を3%上回る。
これで米国の肥満問題は更に深刻になりそうですが、差別的とも思える、こんな記事がマーケット・ウォッチに掲載されています。。

もしあなたが、腰に着いた贅肉がとても気になるなら、あなたが経済的に悩んでいる確率は高い。1400人以上を対象に行われたTDバンクの調査によると、約3分の1の人たちが、現在の自分の経済状況(家計)に満足している、と答えている。しかしこの数値は、バランスの良い体重を保った健康な人たちの間では65%に跳ね上がる。
TDバンクのライアン・ベイリー氏は、こう語っている。「太っていない健康な人たちはエネルギーに溢れ、ストレスも少ないですから、金銭的な事柄を適切に処理することができます。更に、健康な人たちは健康な身体を維持するために、目標を定めて運動や適切な食事を実行しています。この規律ある生活態度が、経済的な健康にも好影響となっているようです。」
何を食べても太らない羨ましい体質の人は別ですが、良い体型を保つためには、運動を週に何度かする必要があります。運動を定期的に行うためにはそれなりの意志力が要り、上の記事によれば、目標を達成しようという強い意志力が規律のある生活を作り上げ、結果的に家計にも好影響となります。

では、逆に言ったらどうなるでしょうか?
運動するぞと誓っても、意志力の弱い人には継続性がないから、今日も相変わらず太っている。要するに、太っている人は体重を減らすというゴールに向かって進み続ける意志力を欠き、このような意志薄弱な生活態度は家計にも悪影響となる。
極論すれば、マーケット・ウォッチの記事はこう聞こえます。
体型の良い健康な人=意志力が強く、規律ある生活を実行しているから経済的な健康も良好。
太っている人=意志力が弱い怠け者。当然、家計の状態も悪い。
言うまでもありませんが、記事を読んで憤慨した人も多く、「なんと馬鹿げた記事だ」、「体型の良い人たちの中にも金銭的に苦しい人は多数いる」、といった反論が書き込まれています。

家計の苦しい代表的な例は生活保護を受けている人たちです。welfare recipient(生活保護受給者)という言葉でグーグルを検索すると、太った人たち、そして黒人の画像が多く出てきます。下は二例です。

写真:womensenews.org

写真:toledoblade.com
マーケット・ウォッチの考え方、正確にはTDバンクのライアン・ベイリー氏のように解釈すると、彼女たちが太り貧困に陥った理由は、彼女たちには目標を達成しようとする意志が無く、そして生活が規律を欠くためです。わざわざ書くまでもありませんが、そんな偏見に満ちたことを言ったら、彼女たちは激怒することでしょう。

もう一つの注目点は、裕福な人々は貧困層に属する人々を苦々しく思っていることです。ワシントン・ポストは、こう報道しています。
ピュー・リサーチ・センターの調査によると、米国のほとんどの裕福な人々は、「貧困レベルに属する人々は気楽なものだ。全く仕事をしなくても政府が暮らしの面倒を見てくれる」、と語っている。
「貧しい人は怠け者だ」、という過激な言葉は使われていませんが、実質的には同じ意味です。極論すれば、生活保護を受ける太った人々の姿に、富裕層は嫌悪を感じていることでしょう。

全米最大の小売店ウォルマートには、多数の低所得者が訪れることで有名です。実は、悪趣味なサイトですが、ウォルマートに来店する客を笑い物にする、peopleofwalmart.comという客たちの写真が掲載されているサイトがあります。下は2例です。

写真:peopleofwalmart.com

写真:peopleofwalmart.com
とにかく太った人たちの写真が多く、これでは「低所得者=肥満体」、と言っているのと同じです。こんなサイトが人気になったということは、「太っている人は経済的に苦しい」という考え方は、アメリカ人たちの間に思っている以上に定着しているのかもしれません。

(参照した記事:Fat and broke? Why overweight people may be (financially) miserable

Most of America’s rich think the poor have it easy

ダレン・ロベル氏のツイート

コメント