米国住宅市場に黄信号!?

強いスタート(A)を切ったマーケットでしたが、11時過ぎから失速が顕著になりました。下はS&P500指数の5分足チャートです。


何が起きたのだろう、と調べてみると、KBホーム(住宅建築)がマーケットに売りを広げた一因でした。


KBホームの5分足チャートです。第4四半期の売上は29%増という決算発表を受けて、やや強めの寄付き(1)となりました。しかし、「今期の売上総利益は大幅下落となる」、というコメントが電話会議で発表され株価は急落です(2)。下はKBホームの日足チャートです。


強烈な陰線(1)、まだ取り引き終了まで2時間ほどありますが、出来高(2)は既に通常の6倍、正にパニック売りといった様相です。今のところ、10月の安値(青い線)がサポートになっていますが、チャートは完全に崩れています。
第2四半期から粗利益率は回復する見込みだが、予想されている2015年の粗利益率20%を達成するのは無理だ。 -- ジェフ・メズガ―(KBホーム最高経営責任者)
この言葉に投資家たちは動揺しました。大手住宅建築業者KBホームの今年の売上に問題有り、という話ですから、多くの人たちは米国の住宅市場は天井であると即座に判断し、売りは他の住宅建築株に広がっただけでなくマーケット全体に悪影響となりました。

下は、最近10年間の米国における住宅着工件数の推移です。(単位は1000)

チャート: セントルイス連銀
景気後退期(灰色の部分)の低レベルから回復していますが、見てのとおり、景気後退前の高レベルには遠く及びません。更に、入れた赤い線で分かるように、ここ1年間は上昇が止まり頭打ちとなっています。言うまでもなく、新築住宅に強い需要があるのなら、業者たちは積極的に家を建てる筈です。

住宅着工件数が頭打ちとなった理由の一つに、米国人の半数以上は、住宅が高すぎて買うことができないという事実があります。
住宅価格が大きな問題となっている。ここ2年間で住宅価格は20%の上昇だが、人々の年収はほとんど増えていない。 -- ローレンス・ユン(全米不動産協会)
現実は、「ほとんど増えていない」ではなく「減っている」です。先週金曜に発表された12月の米雇用統計によると、平均時給は8年ぶりの大幅下落です。

チャート: セントルイス連銀
上は最近10年間の平均時給の推移です。こんな状態では、家を買いたくても買えません。見てのとおり、下げが最近顕著になっていますから、頭打ちの住宅着工件数が下向きになるのは時間の問題のような気がします。

もう一つ付け加えると、伸びない収入のお陰で、人々は中古車を買うことにも苦労している状態です。iSeeCars.comが、全米50の都市で販売された2500万台の中古車を調査して得られた結果はこれです。
中古車を購入したため、ほとんどの人の家計は以前より苦しくなった。
車の購入でさえ家庭に重荷となっているのが今日のアメリカの現状です。こんな状態では、これから大きな成長を住宅市場に期待するのは無理のようです。

(参照した記事:KB Home warns on margins, homebuilder shares fall

Half of Americans can’t afford their house

New study says most can't afford used cars

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