米国債市場: 8ヶ月ぶりに考えを変えた投資家たち

11月25日から12月2日までに資金が最も流入した10のETFです。(単位は100万ドル)

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トップは、26億7860万ドルの資金が流入となったS&P500指数(大型株指数)に連動するSPDR S&P500(SPY)です。詳細を見てみましょう。

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資金の流入、流出が日別に示されています。(11月27日は感謝祭で休み) 注目は1と2です。ゼロより下に伸びる棒で分かるように、資金の流出が流入額を上回っています。12月の株式市場は好調、というのが通説ですが、12月開始早々に大型株ETFから資金が流出です。

トップ10リストの第10位は流入額4億6166万ドル、長期米国債に投資しているiShares 20+ Year Treasury Bod (TLT)です。日別の状況を見てみましょう。

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1、2で分かるように、こちらの方は12月に入っても資金の流入が続いています。史上最高レベルにある米国株式市場に危険を感じ、株を利食って国債ETFに資金を避難させているのだ、と説明する人もいると思いますが、ウォール・ストリート・ジャーナルはこう報道しています。
8ヶ月ぶりに、投資家たちは米国債に対して強気になった。J.Pモルガンが行った意見調査によると、ヘッジファンド、中央銀行、ソブリン債ファンド関係者たちは米国債が引き続き買われると見ている。「弱い海外の経済、低インフレ、そして強いドルという状況を考えれば、米国債への資金流入が続くことだろう」、とテッド・エイク氏(ウィリングドン・ウェルス・マネージメント)は述べている。
「8ヶ月ぶりに強気になった」、という様子を示すのが下のチャートです。

ウォール・ストリート・ジャーナル
マイナス圏で推移していましたが、ゼロを越えてプラスに転じています。投資家たちは、過去8ヶ月に渡って「米国債は売られて利回りが上昇する」、という間違った予想をしていましたが、「米国債は買いだ」、という強気論にとうとう変わりました。
米国債の売り手たちは皆痛い目にあった。予想に反して買いが続いているだけに、積極的な空売りを試みる人たちがいなくなってしまった。 -- ブライアン・エドモンズ(カンター・フィッツジェラルド)
下は、米国債(30年債)の日足チャートです。

チャート:investing.com
回復が順調に続く米国経済、更に量的緩和の終了といったことを考えると、米国債は売られる筈だという多数の専門家たちの予想に反し、米国債は上昇が続いています。8ヶ月という時間がかかりましたが、マーケット関係者の意見も買いに変わりました。売り手が散々な目にあった後だけに、このアップトレンドが崩れない限り、積極的な空売りが試されることはしばらく無いでしょう。

(参照した記事:More Investors Bullish on U.S. Government Bonds: Survey

ETF Fund Flows

コメント

lineの倍 さんのコメント…
gldのようにアウトフローからインフローに切り替わりつつあるセクタが狙い目ではないでしょうか?:)最近gold bugです・・・・