米国住宅市場: 積極的に買う個人投資家、しかし機関投資家は、、

先週の木曜ですが、こういうニュースがありました。

ロイター
米国の中古住宅販売件数(10月分)が、1年ぶりの高水準に達したことを伝えるヘッドラインです。結果は年率換算で526万件、予想は515万件、前回は517万件でした。全米不動産協会のチーフ・エコノミスト、ローレンス・ユン氏はこう語っています。

今年初めて前年度同時期の数値を上回った。これが意味することは、中古住宅販売件数はUターンに成功したということだ。
「ユン氏はエコノミストと言うよりも、米国住宅市場のチアリーダーだ」、とよく非難されますが、下が中古住宅販売件数の推移です。

チャート:セントルイス連邦準備銀行
灰色の部分は景気後退期を示します。最悪だった2010年7月の345万件から約52%の上昇ですが、景気後退前の723万件にはまだ遠く離れています。ユン氏は、「Uターンに成功した」、と述べていますが、このチャートからは力強い回復を読み取ることはできません。

デイブ・クランズラー氏(インベストメント・リサーチ・ダイナミクス)は、こんな心配材料を挙げています。
販売件数を、もう少し詳しく見てみよう。先ず、初めて住宅を購入するファーストタイム・バイヤーが全体を占める割合は29%だ。30%未満の数値はこれで4ヶ月連続となり、過去19ヶ月を振り返ると、30%未満はこれで18回目になる。歴史的平均値は40%に及び、ファーストタイム・バイヤーは住宅需要の重要な要素だけに、最近の低数値は気になる。
機関投資家たちは消極的になっています。
差し押さえとなった物件を積極的に買っていたのは機関投資家たちだが、彼らは最近消極的になっている。9月、差し押さえられた住宅の10%は機関投資家が購入し、今回10月は9%に下がっている。(去年の10月は14%だった。) 全米不動産協会は、「差し押さえとなった住宅の在庫数が減っている」、と説明しているが、事実は差し押さえとなった住宅数は2013年10月以来、ほぼ同レベルで推移している。これが意味することは、機関投資家たちは、差し押さえられた住宅の購入に消極的になったということだ。
もう一つクランズラー氏が指摘しているのは、個人投資家による中古住宅購入です。
9月、現金による住宅購入は24%、そして10月、その数値は27%に上昇した。全米不動産協会によれば、現金による住宅購入のほとんどは個人投資家によるものだ。不動産も株に似ている。株式市場の天井付近で活発に動き出すのは個人投資家であり、住宅市場の天井で積極的に動き出すのも個人投資家だ。

(参照した記事:Existing Home Sales

U.S. existing home sales hit one-year high in October

October Existing Home Sales Were Driven By Flippers

コメント