クリスマスがやって来る、今年も頼りはクレジットカードの米国消費者

一般的に言えることは、レストラン株は他の小売銘柄と強い相互関連がある。しかし、今のところ米国消費者は衣料品を買うよりレストランに行くことを優先させている。 -- オスカー・スロタベック(エバーコアISI)
両指数のチャートをさっそく見てみました。先ず、レストラン株指数の週足チャートです。


高値圏で横ばいが続いていましたが、ついにブレイクアウト、新高値を記録です。


衣料品店株指数(アパレル株指数)の週足です。見てのとおり右下がりのチャネルが形成され、高値をまだ更新していません。

その他にも小売店には百貨店、DIYホーム・センター店、スーパーマーケット、ドラッグストア、ディスカウント店と様々ありますが、下は小売業全体の様子を示す小売株指数です。


レストラン株指数と同様にブレイクアウト、新高値が記録され強い展開になっています。衣料品店株(アパレル株)は出遅れている訳ですが、他の小売株を追って、これから高値を更新することができるでしょうか?「季節的に考えた場合、いよいよ今月末からクリスマスのショッピングが本格的に始まるから、衣料品店株が注目されるのは時間の問題だ。それに、ガソリン価格の下落も買い材料になるだろう」、という見方があります。下が米国のガソリン価格の推移です。

チャート:GasBuddy.com 
最近6ヶ月間のレギュラー・ガソリン価格の動きです。6月、1ガロン当たりの値段は約3ドル70セント、現在の価格は2ドル90セントですから約20%の大幅下落となっています。言うまでもなく、車社会の米国にとって、このガソリンの値下がりは消費者に嬉しいニュースです。
最初に通ったのは胃袋だ。これが消費者への最短距離ということだろう。-- マイケル・アローン(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ) 
安くなったガソリンのお陰で節約できたお金は、真っ先にレストランへ向かったようです。

オッペンハイマーのストラテジスト、アンドリュー・バークリー氏は、こう述べています。
ベスト・バイ、ターゲット、そしてホームデポなどの小売店の決算がそろそろ発表される。マーケット関係者、そして投資家が注目していることは、安くなったガソリンが売上にどの程度好影響となっているかだ。もし明らかに好影響となっているようなら、今年のクリスマス・シーズンの小売セクターの売上は予想以上に良くなる可能性がある。(ホームデポの決算は11月18日、ターゲットは11月19日、ベスト・バイの決算は11月20日。)
もちろん、安くなったガソリンはクリスマス・ショッピングに大した好影響にならない、という見方もあります。
米国のガソリン価格が4年ぶりの低レベルに下がっている。しかし食品の値段が上昇しているから、結局プラスマイナス0だ。最近発表されたメーシーズ(デパート)、そして衣料店ギャップの決算は予想以下の内容となり、ガソリン価格の下落は売上に好影響となっていない。 -- (フォーチュン)
クレッグ・ジョンソン氏(カスタマー・グロース・パートナーズ)によると、食費が家計を占める割合は15%に及び、ガソリン価格は確かに下がっていますが、食品の値段が高騰しているので、消費者がクリスマス・ショッピングで使うことができるお金は去年より50億ドルほど少なくなるそうです。

先月、マイケル・スナイダー氏(エコノミック・コラプス)は、こんなことを指摘しています。
ギャラップ社の調べによると、米国の大人は、今年のクリスマスでギフト・ショッピングの費用として平均781ドルを割り当てる予定だ。(去年は704ドル) しかし、クリスマスで使う金はギフト・ショッピングだけではない。他にもクリスマス・ツリー(平均41ドル50セント)、クリスマス・カードに切手代(平均32ドル43セント)、クリスマス・ディナーにキャンディー(平均95ドル4セント)、旅行(平均960ドル50セント)、と様々な出費がある。しかし、この金はいったいどこから来るのだろうか?先日も指摘したことだが、50%の米国労働者の年収は2万8031ドル未満であり、更に連銀から発表された下のチャートで分かるように、ここ数年間米国世帯の所得は全く増えていない。
世帯所得(中間値)の推移
要するに、アメリカ人たちは今年もクレジットカードでクリスマスの費用をまかなうのだ。家庭の借金は更に増え、これが良いニュースである訳がない。
ということで、アメリカ人たちは、去年を上回る金額を今年のクリスマスで使う予定です。資金源はクレジットカードということですから、ガソリン価格の動向はクリスマス・ショッピングに大きな影響を与えることは無いと思います。来月になれば職場ではクリスマス・パーティーがありますから、人々は新しいドレスやアクセサリーを購入することでしょう。本格的なクリスマス・ショッピングは今月末からです。出遅れている衣料品店株も劣勢を挽回するチャンスが残っています。

(参照した記事:Wall Street Week Ahead: Restaurants' uptick offers hope for consumer discretionaries

Lower gas prices won’t save the holiday season

GUESS HOW MUCH AMERICANS PLAN TO SPEND ON CHRISTMAS AND HALLOWEEN THIS YEAR…

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