米国小売業者の悩みは万引き、それとも従業員?

この見出しに驚きました。


「米国では、従業員による盗みが万引きを上回っている」、という意味になります。


資料: グローバル・リテイル・セフト・バロメーター
・ 2013年、従業員たちによる盗みで全米の小売店が受けた被害は180億1000万ドルに及び、これはロス全体の42.9%を占める(A)。
・ 万引きによる被害額は157億ドルに及び、これはロス全体の37.4%(B)を占める。
・ 値段の付け間違いなどの管理上のミスによる被害は45億3000万ドルに及び、これはロス全体の10.8%を占める。
・ サプライヤー、業者による不正で受けた被害は37億3000万ドルに及び、これはロス全体の8.9%を占める。
グローバル・リテイル・セフト・バロメーターの調査員は、「なぜ米国では、従業員による盗みがこれほど多いのか分からない」、と述べています。世界の平均値は、従業員による窃盗は28%に及び、米国の42.9%を上回るのはアルゼンチンだけです。

ジョー・ピンスカー氏(アトランティック誌)は、従業員による窃盗の原因は会社側にある、と述べています。
では、どうやったら従業員による盗みを減らすことができるだろうか?「従業員の監視を厳重にしろ」、という意見があるが、これは逆効果だ。なぜなら、絶えず見張られていたのでは従業員の会社に対する不満がいっそう増え、結果的に窃盗の数も増えることになるだろう。
会社側は従業員の監視を厳しくする必要はない。重要なことは、従業員の給料を引き上げることだ。2012年に発表されたレポートによると、競争相手よりも高い給料を払っている小売店では、従業員による窃盗が大幅に減少している。更に給料を引き上げることで、公正、誠実、そして正直な労働環境を作り上げることができる。
「給料を上げることで窃盗が減る」、ということですが、コスト削減を第一としている会社が多いことを考えると、そう簡単に給料が引き上げられることはないでしょう。更に、給料の引き上げで盗みが減ったとしても、これは一時的な現象に終わってしまうかもしれません。昇給は確かに嬉しいことですが、その喜びは数週間もすれば消滅し、場合によっては昇給率の不十分さを訴える従業員も出てくることでしょう。

この匿名読者(FLTransplant)の書き込みに、多くの人が同意することでしょう。
結局のところ、会社側が従業員を公正に扱っていないことに問題がある。会社の利益ばかりが優先され、会社側は従業員の気持ちなど全く考えない状態だから、従業員の不満は募る一方だ。要するに、窃盗は従業員の会社への仕返しであり、会社側が誠実な態度で従業員に接すれば窃盗は減ることだろう。
会社側の方針を従業員に実行させるのは上司の役目です。言い換えると、上司が従業員の気持ちを理解できないのでは、職場の空気が完全に乱れてしまいます。従業員による窃盗が米国で極めて多いのは、職場における良きリーダーの欠如を表わしていると言えそうです。

(参照した記事: U.S. workers are big-time thieves, far worse than in other countries

America's Workers Are Out-Stealing America’s Shoplifters

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