アリババ、ニューヨークにデビュー: IPOの意味を忘れた投資家たち

何と言っても、今日一番の話題はアリババです。
アリババ:公募価格68ドル 史上最大規模、NY上場へ(毎日新聞)
アリババ株、初値は92.70ドル 時価総額25兆円 (日本経済新聞)
アリババの取り引きが始まったのは、ニューヨーク時間の午前11時50分頃でした。株価がなかなか決まらず、気配だけが80ドル、83ドル、90ドルとどんどん上がり、結局初値は公募価格を36%も上回る92ドル70セントとなりました。マーケット終了まで、あと40分ほどありますが、下はアリババの1分足チャートです。


取り引き開始約10分後、株価は99ドル70セントに達し、100ドル達成は間違いない、と誰もが確信していました。しかし、見てのとおり結局そこがピークとなり株価は急落です。次に、3分足チャートを見てみましょう。


レンジが形成されています。上限(1)は93ドル50セント、そしてサポートになっている下限(2)は90ドルです。

公募価格で買うことができたラッキーな人は別として、現在の90ドル台でアリババを買う価値はあるのでしょうか?ジェイソン・ツバイク氏は、数日前のコラム(ウォール・ストリート・ジャーナル)で、こう書いています。
70ドル以下なら買っても良い。しかし、パッと飛び乗って手っ取り早く儲けようと思っているなら、ガッカリな結果になることだろう。アリババのIPOを特別視する必要は無い。証券取引所には、多くの同業種銘柄が既に上場されており、アリババは単にそこへ仲間入りするだけだ。
モーニングスター社のアナリストは、アリババの適正株価は90ドルだ、と述べています。更に、キャンター・フィッツジェラルドのアナリスト、ユセフ・スクアリ氏は、向こう12ヶ月の目標株価を90ドルに設定していますから、現在の株価で買うことに躊躇してしまいます。

チャック・ジャフ氏(マーケット・ウォッチ)は、こう述べています。
投資家たちはアリババの魅力に心を奪われ、IPOの意味を忘れてしまった。IPOの3文字は、It's Probably Overpriced.(それは、おそらく割高だ)から取ったものだ。
割安株の投資で知られるアスワス・ダモダラン氏(ニューヨーク大学)は、こんな注意点を挙げています。
株を買うことは会社の一部を買うことであり、保有する株数に関係なく株主には投票権がある。しかし、アリババ株はそのような株ではない。株主には投票権は無いから、会社の役員や責任者は、ごく一部の内部関係者によって決定される。要するに、どんなに多くの株を保有していても、投資家には何の権限も無いのだ。短期トレードをするなら話は別だが、私はこのような会社への長期投資はできない。
アリババを買わないならヤフーを買え、という意見も出ていました。理由は、アリババの22.5%はヤフーが所有しているからです。さて、今日のヤフー株はどうなったでしょうか?下が日足チャートです。


1が今日のローソク足です。見てのとおり陰線が形成され、2.73%の下げで終了となり、期待されていた月曜の高値(2)を突破することはできませんでした。下は週足です。


後味の悪い陰線が形成され、先週突破したばかりのレジスタンスラインの下へ逆戻りですから、更なる売りが出そうです。

IPOはウォール街のお祭りです。繰り返しになりますが、ジャフ氏の言うIPOの意味を忘れずに頭の中へ入れておきたいと思います。
It's Probably Overpriced.(それは、おそらく割高だ)

(参照した記事:How High Will Alibaba Pop? Fair Value Could Be $100 Per Share

If You Buy Alibaba, Be Ready for a Rough Ride

Don’t buy Alibaba stock: ‘Dean of Valuation’

Alibaba IPO bulls are missing some red flags

コメント

匿名 さんのコメント…
どっかで見たなと思ったらここにあった。

2014年06月08日
ゼロから株をはじめる人のための新投資用語集
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65795368.html

T Kamada さんの投稿…
匿名さん

コメントありがとうございます。「It's probably overpriced」、で検索してみると面白いです。色々な関連記事が出てきます。