株式市場の大幅下落に備えるジョージ・ソロス氏

CNBC
金曜のニュース・ヘッドラインです。ウクライナ軍が越境してきたロシア部隊を攻撃、というのがトップ扱いになっていますが、興味をひかれたのは二番目の記事、ジョージ・ソロス氏に関するものです。

ソロス・ファンド・マネージメントは、米国株式市場の大幅な下げを予測しているようだ、と投資家たちが不安になっている。最新の第2四半期報告書によると、ソロス・ファンド・マネージメントは、S&P500指数に連動するETFのプット・オプション保有数を大量に増やした。(プット・オプションの値段は株式市場が下がると上昇する。)第1四半期、ソロス・ファンド・マネージメントが保有するプット・オプションは160万株に相当する数だったが、この数は1129万株相当に膨れ上がっている。
「ソロス・ファンドは大量に株を保有しているから、プット・オプションの保有数が増えたことを特に心配する必要はない。プット・オプションはポートフォリオをマーケットの下げから守る保険と同じだ」、という意見も当然あります。しかし、著名投資家ソロス氏が大幅にプットを増やした訳ですから、「やはりマーケットは天井だ」、と再度不安になった人たちがいることも確かです。

ソロス氏のファンドは、単にヘッジの意味でプットを増やしたのでしょうか?Bullion Baronは、こう説明しています。
ソロス氏のファンドはプットの保有量を605%増やした。金額に直すと22億ドル、そしてプットがポートフォリオを占める割合は16.65%だ。以前も述べたように、S&P500指数に連動するETFのプットを買うことは、マーケットの下げに賭けることを意味する。
チャート: Bullion Baron
棒線はソロス氏のファンドが保有するプットの総額、そして赤の折れ線は、プットがポートフォリオを占める割合です。見てのとおり、ソロス氏のファンドが、これだけプットの保有量を増やしたことは過去一度もありません。もちろん、最新のデータと言っても第2四半期末の状況ですから、今日現在同じ量を保有しているという保証はありません。しかし疑問になるのは、なぜこれほどまでソロス氏のファンドは、米国マーケットの下げに賭けるプットの保有量を増やしたのでしょうか?Bullion Baronは、こんな推測をしています。
ソロス氏のこの言葉を思い出した。「世界が今日直面している心配材料はユーロではなく中国だ。中国を急速に成長させた経済モデルはもはや使い物にならず、中国の経済は失速状態だ。今日の中国は、米国の株式市場が暴落となった2008年に似ている点が多い。」
中国のシャドーバンキングは深刻な状況にあり、リーマン・ショックの再来となる、という記事を何度も読んだことがありますが、ソロス氏も同様な心配をしているのかもしれません。どちらにしても、ポートフォリオの16.65%を占めるプットというのは突出しており、もちろんこれはファンドが現在保有する最大のポジションです。このプットの次に大きなポジションは、YPF S.Aというアルゼンチンの石油会社の株ですが、これがポートフォリオを占める割合は3.39%です。

今日のニュースでも分かるように、中国以外にもマーケットにはウクライナのような地政学的不安材料もありますから、資金の一部をプットに割り当てることは決して悪くないアイデアです。


(参照した記事: George Soros loads up on bearish market bet

Go Big Or Go Home, Soros $2.2 Billion Bet On SPY Puts

George Soros Made A Huge Bet That Stocks Will Fall

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