ビル・アックマンはいつも吠えるだけだ。噛まれても痛くない。 -- ジョン・デシモネ(ハーバライフ最高財務責任者)

「火曜にハーバライフに関する重大な発表をする。ハーバライフは崩壊するだろう」、と威勢良く昨日語ったビル・アックマン氏(著名ヘッジファンド・マネージャー)ですが、株価の方は氏の期待を大きく裏切る展開になっています。


上は、火曜のマーケット終了3時間前におけるハーバライフの日足チャートです。「重大な発表がある!」、という発言で昨日(1)は11%の大幅下落。そして今日、ハーバライフに致命傷を負わせる筈の発表は完全な逆効果となり、見てのとおり巨大な陽線(2)が形成されています。

「ハーバライフはピラミッド・スキーム(マルチ商法、ネズミ講)だ。本当の客は存在しない」、と主張するアックマン氏は、2012年に10億ドルに相当するハーバライフ株を空売っています。昨日の時点では、事はアックマン氏の思惑どおりに進みそうな雰囲気でしたが、新材料を欠く重大発表で、株価は単に昨日の損を取り戻しただけでなく、更にそれを上回る上昇となってしまいました。

今日の重大発表はオンラインでも実況中継され、USA TODAYによると、1万人を超える視聴者が集まったそうです。重大発表の要旨です。
・ ハーバライフの客は架空の客。
・ 多くのハーバライフの見習いは教育レベルが低く、クラブ・ディストリビューターになれることを夢見て無給で働いている。彼らは騙されていることが分かっていない。
・ ハーバライフが売っているものは幻想だ。新メンバーは、講習と商品の購入で1年目は少なくとも3000ドルの出費(自己負担)となる。
・ 10人の新客獲得などの条件もあるから、1年経っても次のレベルに昇格できる保証は無い。たとえ昇格できたとしても、またその次のレベルへ進むために、さまざまな条件を満たす必要がある。ハーバライフは終わりのないトレッドミルと同じだ。
当然、具体的な数字や統計も証拠として発表された訳ですが、「ハーバライフは崩壊するだろう」、と啖呵を切っていただけに今日の発表は完全な期待外れとなりました。正に、「ビル・アックマンはいつも吠えるだけだ。噛まれても痛くない」、というジョン・デシモネ氏(ハーバライフ最高財務責任者)の言葉どおりになってしまった訳です。もちろん、デシモネ氏がこんな強いことを言えるのは、著名投資家のジョージ・ソロス氏とカール・アイカーン氏が、ハーバライフの株主としてついているからかもしれません。

「多くのハーバライフの見習いは教育レベルが低く」、という部分は、さっそく反感を買う結果になっています。ハーバライフは、こうツイートしています。

アックマン氏は、ラテン系アメリカ人は教育が無い、無知だ、と固定観念で見ている。これは侮辱であり、アックマン氏は謝罪するべきだ。
ハーバライフを倒産させてやる、と躍起になっているアックマン氏ですから、今日の失敗で完全に撤退することはないでしょう。しかし、一部の投資家たちは、こんな予想をしています。「これでアックマンはお終いだ。ソロスとアイカーンから復讐されることになるだろう。」


(参照した記事:Teary Ackman on HLF: Time to shut the company down”

Ackman’s ‘Death Blow’ Fails to Knock Out Herbalife

Ackman misfires on Herbalife "death blow"

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