ダイバージェンスが見え始めた小麦

好調な株式市場とは正反対なのは穀物市場です。もちろん、消費者にとって穀物の値段が下がることは嬉しいことですが、生産者の側から見ると嬉しい話ではありません。穀物の一例として、小麦の日足チャートを見てみましょう。

チャート:FINVIZ.com

5月の高値から25%の下落、そして1で分かるように、とうとう1月末に記録された安値を割ってしまいました。当たり前のことですが、このまま下げが続いたとしても、小麦の値段がゼロになることはありません。もちろん、だからと言って、こんな下げ方を見てしまうと、ここで積極的に買う気にもなれません。

小麦が下げている一因として供給過剰があげられています。USDA(米農務省)は、小麦の在庫が3年ぶりの高レベルに達することを予想し、国際穀物理事会は穀物(米を除く)の在庫は15年ぶりの高レベルを記録するだろう、と発表しています。

この下げ市場の中で小麦を買っているのは誰でしょうか?もう一度チャートを見てみましょう。

チャート:FINVIZ.com
緑色の線はコマーシャル(当業者)、赤は大口投機家(非当業者)、そして青は小口投機家の建玉状況です。大ざっぱに言えることは、大口投機家は上げ相場で強気になり、低迷する相場では弱気です。それとは反対に、スマートマネーと呼ばれるコマーシャルは、強く上昇するマーケットでは買いを控え、下げ相場で買う傾向があります。注目は1の部分です。先月も書いたことですが、6月に入ってからコマーシャルと大口投機家の立場が逆転し、コマーシャルは強気、大口投機家は弱気になっています。

次に、小麦のETN(上場投資証券)の日足チャートを見てみましょう。


動きは小麦と同じです。注目はETN価格は下げ続けていますが、MACD(1)は下げ止まり、やや上向きとなりダイバージェンスが起きています。言い換えると、小麦はそろそろ下げ止まり、短期ラリーを展開する可能性があります。もちろん、下げ止まり、横ばい、再下落というシナリオもありますから、ダイバージェンス=買いシグナルではありません。

では、どんなタイミングでトレーダーたちは買ってくるでしょうか?分かりやすい場所が二つあります。先ず、下降するトレンドライン(2)の上放れです。上放れはダウントレンドの終焉を意味しますから、新規の買いが集まります。

もう一つは、ETN価格のサポートラインの上への復帰です。3を見てください。今日の下げでサポートライン割れとなりましたが、もしETN価格が一転して上昇、そしてこのサポートラインの上に戻るような事態となると空売りの買い戻しが起き新規買いを誘うことになりそうです。

既に7月に入っていますが、一般的に言われていることは、小麦は6月に安値をつける傾向があります。

チャート: Moor Research Center
黒い線は小麦価格の過去40年間の季節性、そして点線は過去15年間の季節性です。円で囲いましたが、過去40年間を見ると6月が安値となり、その後しばらく横ばいして8月末頃から上昇が始まります。過去15年間の季節性は、6月が底ではなく4月が安値になりますが、8月末には過去40年間の季節性と同様にブレイクアウトが起きています。低迷の続く小麦相場ですが、コマーシャルたちは夏の終わりの上放れを想定して、6月から小麦を買っているのかもしれません。


(参照したサイト:Worst-Performing Commodities In First Half Of 2014

コメント