バランス・オブ・パワーの話: 大口の買いが目立つ日本の金融株

バランス・オブ・パワー(BOP)という指標について何度か書いたことがありますが、私がこの指標に興味を持つキッカケになったのは、マーサ・ストークス氏(テクニトレーダー)のオンライン・セミナーです。
バランス・オブ・パワーは近代株式市場で役立つユニークな指標だ。この指標を利用することで、大口取引の状況を把握することができる。-- マーサ・ストークス
バランス・オブ・パワーはドン・ウォーデン氏によって考案、開発されウォーデン社がこの指標の独占所有権を持っています。

下は、みずほファイナンシャル・グループの日足チャートにバランス・オブ・パワーを入れたものです。


先ず1と2の赤い線は大口取引の売りが多い部分です。円で囲いましたが、最近は緑色の大口取引の買いが目立ち、株価の方も上昇しています。

以前のブログで指摘したように、バランス・オブ・パワーどおりに動いたら必ず儲かるという保証はありません。ご存知のように、大口取引をするのは私たち個人ではなく、豊富な資金を抱える機関投資家たちです。最近上向きとなった株価を考えると、1と2の大口取引による売りは間違いであり、機関投資家たちも個人投資家と同様に間違ったタイミングで売買することがあるという好例です。

こういう例もあります。


Woodward, Inc. (WWD)の日足チャートです。大陽線(1)、そして大きな出来高(3)、バランス・オブ・パワーも緑色になり大口の買いが多いことが示されています。ストークス氏の話によると、このような派手な株価の動きを伴う場合の大口の買いは大手金融機関のトレーダー、またはHFT(超高速取引)によるものだそうです。大手ミューチュアル・ファンドは株価を動かすことを嫌います。もう一度上のチャートを見てください。5月の値動きは、ほぼ横ばいですが、ここでは緑色が連続していますから、大手ミューチュアル・ファンドが買っていた可能性があります。


もう一度みずほファイナンシャル・グループを見てみましょう。株価は最近上昇していますが、全体的に見た場合は、まだ横ばいゾーンの中です。派手な値動きではないですから、ミューチュアル・ファンドが買い始めたと解釈することができそうです。このパターンは三菱UFJファイナンシャルに似ています。


三菱UFJファイナンシャルの日足チャートです。1で分かるように、株価は横ばいゾーンを最近上抜けています。円で囲いましたが、横ばいゾーンを突破する前から緑の線が連続となり、機関投資家たちは積極的に買っていました。

もう一つ米国に上場されている日本株を見てみましょう。キヤノンの日足チャートです。


株価は上昇が続いていますが、気になるのは金曜の長い赤い線(1)です。言うまでもなく、大口の売り取引が多かったことが示されています。株価に派手な動きはありませんから、これは大手金融機関のトレーダーやHFTではありません。まだ一本だけですから決定的なことは言えませんが、株を利食ったミューチュアル・ファンドがあったようです。

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