相変わらず嫌われる金

今朝のブルームバーグに、「金のブルマーケットにさようなら(Kiss Gold Bull Market Goodbye)」、という記事が掲載されています。先ず不思議に思ったことは、このコラムのタイミングです。下は、金価格に連動するETFの週足チャートです。


見てのとおり、金の下落は既に始まり、2011年の高値から今日までの下げ幅は30%を超えています。言い換えると、「ブルマーケットにさようなら」と言えたのは2年前のことです。もちろん、記事を書いた人は、「金のブルマーケットがやって来るなどという望みは捨てろ」、という意味で「金のブルマーケットにさようなら」というタイトルを付けたことも考えられます。

記事を書いたのはバリー・リットホルツ氏ですが、金価格の下落が継続する理由として次の五つをあげています。
・ 安定し始めた経済: 金融危機から5年が経過し、米国経済はゆっくりと回復し始めている。第1四半期の米GDPは1%のマイナスだったが、これは50年ぶりの厳しい冬が原因であり、米国経済再後退の始まりを示すものではない。
・ ドルの上昇: 金のブルマーケットを支えた要素の一つにドル安がある。しかし、最近はドル高の傾向が見え始め、これは明らかに金価格に悪材料だ。
・ 低いインフレ率: 悪性のインフレが予想されたが、その兆しは全く見えない。金はインフレ・ヘッジと言われているだけに、現状では積極的に金を買えない。
・ 地政学的要素: ウクライナ情勢、中国とアジア諸国の問題があるにもかかわらず金価格は全く上昇しない。いつ戦争が起きてもおかしくない状態なのに、地政学的リスクが金の買い材料になっていない。
・ 大きな調整の無い株式市場: 株が大きく下げ始めれば、人々は金へ資金を避難させると言われているが、今のところ株式市場には大幅調整が起きていない。
もちろん、金はそろそろ底打ちになる、という意見もあります。下は金価格に連動するETFの日足チャートです。


ガートレーの買いパターンが形成されている可能性があります。あと1ドルと少し下げると、買いのポイントになるAに達します。

金を買うタイミングを正確につかむことには役立ちませんが、ラリー・エーデルソン氏(投資アドバイザー)の、この言葉を思い出しました。
実際に戦争が始まってから金を買うのでは遅すぎる。同様に、インフレが明らかになるのを待っていたのでは、金の買いタイミングを逃してしまう。

(参照した記事:Kiss Gold Bull Market Goodbye)

コメント

lineの倍 さんのコメント…
ダラス連銀はすでにCPIが2%程度に近くなっていると報告しています。これは次回のFOMCでイエレン氏からインフレ傾向に関する何らかのメッセージが出る可能性を示唆しています。
http://www.dallasfed.org/research/pce/index.cfm