投資家たちは株式市場の大幅下落を本当に心配している??

「アメリカ人は住宅に興味はあるが、実際に買うことは考えていない」、という記事があります。根拠はこれです。

ビジネス・インサイダー

グーグル・トレンドからの結果です。 上の線(A)は、「売り家(Homes for sale)」という言葉で検索された回数、そして下の線(B)は「家のローンの計算/ローンの計算機(Mortgage calculator)」、という言葉で検索された回数です。

「売り家」という言葉での検索回数はたしかに増えているが、消費者たちは本当に買う気があるのだろうか?もし真剣に購入を考えているのら、月々の支払い額を早速計算する筈だが、「ローンの計算機」という言葉での検索数は全く増えていない。(ビジネス・インサイダー)
なかなか面白いグーグル・トレンドの使い方だと思いました。最近よく聞くことは、米国株式市場は暴落する、という意見です。さっそくグーグル・トレンドにアクセスして、「相場の暴落(stock market crash)」で調べてみました。


右端の矢印で分かるように、「相場の暴落(stock market crash)」という言葉での検索回数は上昇していますが、際立って多いという状況ではありません。1の突出している部分は2008年の10月、金融危機の真っ只中です。 ダウ工業株30種平均が天井となったのは2007年10月ですから、検索数が極めて増えたのは天井から1年後、ダウ平均が30%以上の大幅下落となってからです。言い換えると、人々が暴落に興味を持つのは実際に大幅な下げが始まってからです。

次に、「買い銘柄/買えそうな株(stocks to buy)で調べてみました。


Aは今年の1月です。最近は検索数が下げ方向ですが、以前のような低いレベルにはまだ下がっていません。興味深いことに(当たり前かもしれませんが)、1の飛び出たところは、「相場の暴落)」という検索が最も多かった2008年の10月です。株が大幅に下げている最中、投資家たちは買えそうな株を探していた訳です。

次に、「株を買った(bought stocks)」で調べてみました。


またまた突出している部分は2008年の10月です。人々は買えそうな銘柄を探していただけでなく、実際に株を買ったようです。この買いのタイミングは早すぎました。マーケットが底を打ったのはそれから5ヶ月後、ダウ工業株30種平均が更に20%下がった2009年の3月です。

もう一つ、「株を売った(sold stocks)」という言葉での検索数について見てみました。


1は2008年の10月、2は今年の3月です。見てのとおり両方の高さはほぼ同じですから、二ヶ月前に投資家たちは、かなり暴落を心配していたようです。さて、3の最も飛び出た部分ですが、これは2004年の12月です。何が起きたのだろう、と思って調べてみると、2004年の12月にはスマトラ沖地震があり、20万を超える人々が命を落としています。

今日、株の大幅下落に対する関心度が高まっていることは確かですが、目立って強い関心度という訳ではありません。繰り返しになりますが、人々が動き出すのは実際に大幅下落が顕著になってからです。

(参照した記事:Americans Are Interested, But Not Serious About Buying A Home

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