米国中年層の悩みは老後の暮らし、退職を遅らせる人々

日本からカリフォルニアの大学へ勉強に来た人の話です。直ぐ大学の寮へ行くのはつまらないから、一先ず遊びに行こうという友人の誘いに乗って、ロサンゼルスに到着した日の夜にラスベガスへ向かいました。

若いとはいえ、時差ボケの頭でブラック・ジャックをやって勝てる訳がありません。こともあろうに、この人はたった数百ドルだけを残し、全ての資金を使い果たしてしまいました。寮費は既に払ってありましたから住む場所はありますが、ブラック・ジャックで大負けしたので生活費がありません。早速この人は両親へ無心の手紙を書いたそうです。しかし、どんな嘘をついて両親を説得したのでしょうね?


さて真面目な話です。富裕層の恵まれた人たちは別ですが、私たちには金銭的な心配事があります。たとえば、子どもの大学費をどうやって貯めようか、老後のための資金は十分にあるだろうか、といったものです。下は各世代のアメリカ人が最も心配している金銭的事柄です。
・ 18歳~29歳: 満足できる生活レベルを継続していけるかが心配(52%) ・ 突然の事故や病気になった場合の医療費が払えるか分からない(52%) 
・ 30歳~49歳: 老後の生活資金(70%)
・ 50歳~64歳: 老後の生活資金(68%)
・ 65歳以上: 突然の事故や病気になった場合の医療費が払えるか分からない(43%)・ 満足できる生活レベルを継続していけるかが心配(41%)
(データ: ギャラップ社)
見てのとおり、働き盛りの世代が最も心配していることは老後の暮らしです。アメリカの場合、ソーシャル・セキュリティーと呼ばれる社会保障制度があります。日本の年金制度のように、各個人の給与からソーシャル・セキュリティー税が引かれ、65歳になった時から支払った金額に応じて年金がおりる仕組みになっています。

ソーシャル・セキュリティーだけでは満足な老後の暮らしはできません。(独身の場合平均で毎月1294ドル、夫婦の場合は毎月平均で2111ドルです。)当然のことながら、若い頃から老後のために毎月貯蓄していく必要があるのですが、住宅ローン、自動車ローン、子どもの教育費と色々ありますから、なかなか思うように貯蓄が進まないのが現状です。ということで、こういう現象が起きています。

資料:ギャラップ社
1は、アメリカ人の実際の平均退職年齢です。2はアメリカ人たちが予定/予想している平均退職年齢です。注目は上昇が最近顕著な1の線です。今日、アメリカ人の平均退職年齢は62歳であり、これは1991年にギャラップ社が調査を始めて以来最高の数字です。もちろん、仕事が大好きなので62歳まで働いている訳ではありません。悲しいことですが、引退できるだけの財力が無いので退職の時期を遅らせているのです。

月曜のCNNマネーに、こういうチャートが掲載されています。

米国の雇用状況が上向きになっていると報道されていますが、増えているのは時給の低い仕事(Low Wage)であり、中時給(Mid Wage)、高時給(High Wage)の仕事数は減っています。(低時給 $9.48 - $13.33、中時給 13.73 - $20、高時給 $20.03 - $32.62) もし低時給がトレンドになってしまえば、アメリカ人は更に退職を遅らせる必要がありそうです。


(参照した記事:Retirement Remains Americans' Top Financial Worry

Work and Live, Retire and Die

The low wage jobs explosion

5 Steps to Consider if You Can’t Afford to Retire)

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