知ったら終い: コーヒーを買っているのは誰?

コーヒーのファンドが、今年に入ってから約2倍になったことを伝える見出しです。

世界最大のコーヒー豆生産国であるブラジルが歴史的な干ばつに襲われ、関係者の話によると、今年の全世界のコーヒー生産量は予想される需要に1100万袋ほど追いつかないようです。(1100万袋は、世界第2位の生産国であるコロンビアの年間生産量に匹敵する。)

「よし、それなら買ってみよう」、と早速動き出した人たちもいる筈ですが、ここで思い出したのは音輪明宏さんのブログです。

昔、自由の国、アメリカにはゴールド・ラッシュというものがあった。アメリカの西部の川でどっかの誰かがものすごい量の砂金を見つけて一夜にして大金持ちになったという話。皆さんも一度は聞いたことがあると思う。
根本的な話をすれば金が出たと聞いた噂話を聞いた時点でもう遅いと思わないといけない。噂になる頃には、金なんてあらかた採り尽くされてるに決まっている。たとえ金があったところでそんなに人が集まったら儲けなんて微々たるもの。
そのとおりだと思います。一言で言うとこうなります。
知ったら終い
(材料があっても、実際にその材料を知ってしまったら(世に出てしまったら)相場はお終い、という意味。出た瞬間に織り込み済みになる、ということ。)

下はコーヒーの日足チャートです。


注目してほしいのは、ローソク足チャートの下にあるCOTレポートを基に作られた三本の線です。

・ 赤: 大口投機家 (0より上の場合は買っている。ゼロより下の場合は売っている。)
・ 青: 小口投機家 (dumb money 愚かな金と呼ばれることもある。)
・ 緑: コマーシャル・ヘッジャー(当業者。実際にコーヒー豆が必要な業者たち。例: スターバックス)

コーヒーが低迷している時(1)、コーヒーを積極的に買っていたのは当業者であるコマーシャル・ヘッジャーです。その反対に、大口投機家(非当業者:たとえばヘッジファンドなど)は売り手です。

そして今年に入り、コーヒーが急騰している状況(2)で買っているのは大口投機家であり、コマーシャル・ヘッジャーは売り手です。言い換えると、コマーシャル・ヘッジャーはコーヒーの上昇を見て慌てて買うようなことはなく、低迷時に買い溜めたコーヒーを売って利食うことができます。

更に、大口投機家自身が、今回の急騰要因の一つになっています。とにかく、コーヒーは長い低迷でしたから、大口投機家は空売りで利益を上げ続けていました。しかし干ばつが材料となり上昇が始まり、大口投機家たちは売りポジションを一斉に買い戻しです。正に踏み上げが起きてしまった訳です。

もう一つチャートを見てみましょう。トウモロコシの日足チャートです。

1の部分で分かるように、安値圏で買っていたのは当業者たちであり、最近の上昇を見て買っているのは大口投機家たちです(2)。

もちろん、コマーシャル・ヘッジャーの方が大口投機家より優秀である、という意味ではありません。コマーシャル・ヘッジャーの場合、高い原料を仕入れたのでは会社の利益に悪影響となってしまいますから、原料が安い時に積極的に買います。しかし、ヘッジファンドのような大口投機家は、直ぐに良い結果を出さないと顧客に逃げられてしまいますから、どうしても現在動いているものを中心に投機することになります。

皆さんは、どちらのタイプの投資家/投機家になりたいですか?コマーシャル・ヘッジャーですか、それとも大口投機家タイプですか?


(参照した記事: 騙される人、騙す人。投資の世界にはその2種類しかいないなんて書いてみた(´・ω・`)

知ったら終い(しったらしまい) - 実践!相場用語集

Coffee Funds Nearly Double So Far This Year

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