ゴールドマン・サックス: 正気とは思えぬ投機熱

この結果をどう解釈するべきだろうか?Bankrate.comの行った意見調査によると、73%の人々が「株には投資するつもりはない」、と答えている。
個人投資家たちが株に対する不信感を表明するのは、これで3年連続だ。米国株式市場は、既に5年を超える上昇相場が展開されているが、人々はウォール街に対して相変わらず警戒心を抱いている。
これは買い材料だ、と結論した人は少なくないと思う。株式市場が天井を形成する段階では、人々は熱狂的になり、バリュエーションを無視して徹底的に株を買う。しかし現状は、たしかにマーケットは高値圏にあるが、人々は冷ややかな目で株式市場を見ている。個人の資金が市場へ本格的に向かうのはこれからだ、と判断できそうな気がするのだが、CNNマネーはこう報道している。

今回の上げ相場は以前と様子が違っている。なぜなら、現在展開されているブルマーケットに辿り着く前に、個人投資家たちは2度の大きな下げ(2000年のハイテク株バブル、2008年の金融危機)を経験しなければならなかった。二度の株の暴落で多大な被害を受けた人々は、投資資金の行き先を株から安全なマネーマーケットファンドや債券に変更した。
2000年に40代だった人たちは今日50代、そして50代だった人たちは今日60代に達し、引退の時期が迫っている。こんな人々の心境を察するのは難しくないと思う。もう若くないのだ。現時点で株で大損などしたら、満足な老後の暮らしができなくなってしまう。儲からなくてもいいから、とにかく資金は一銭も失いたくない。資金が株を離れるのは当然の結果だ。

金融危機は、若い世代にもウォール街に対する不信感を植え付けた。米国政府がしたことは、金融危機を作り上げた犯人である大手投資銀行を救済し、個人投資家を助けることはなかった。もう5年以上の月日が経過しているが、昨夜のラジオ深夜放送では、「政府は米国の各家庭に10万ドルを給付するべきだった。金融機関を助けたのは大きな間違いだ」、といったことが討論されていた。

表向きには、米国の雇用状況は改善し、経済の回復が続いていると報道されている。しかし、こんなニュースもある。
キャッシュネットUSAの調べによると、22%の人々の預金残高は100ドル未満、そして46%の人々の預金残高は800ドル未満だ。
円に換算すれば、米国の半数の人々には10万円の貯金がない。これでは株投資など無理だ。極めて簡単に言ってしまえば、今日の株式市場で最も恩恵を受けているのは量的緩和策で膨大な現金を手に入れた大手金融機関だ。

マイケル・スナイダー氏(The Economic Collapse) は、こう述べている。
米国経済は良い方向へ進んでいる、と思っている人たちが多いが、現状は悪くなっている。2008年9月、米国の赤字額は10兆ドル、そして今日その額は17兆4900億ドルに増大している。大きすぎて倒産させることはできない、という理由で政府から救済されたJPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーは更に巨大になったが、金融危機以来1400の中小銀行が破綻した。
問題は、更に巨大になった大手投資銀行が今日抱えるデリバティブ(金融派生商品)への投機額だ。
・JPモルガン: 
総資産: 約2兆ドル 
金融派生商品への投機額: 約71兆ドル
・シティバンク: 
総資産: 約1兆3000億ドル 
金融派生商品への投機額: 約62兆ドル
・バンク・オブ・アメリカ: 
総資産: 約1兆4000億ドル 
金融派生商品への投機額: 約41兆ドル
・ゴールドマン・サックス 
総資産: 約1110億ドル 
金融派生商品への投機額: 約47兆ドル
大手投資銀行は、2008年の金融危機を完全に忘れてしまったようだ。見てのとおり、どの投資銀行も、全資産を大幅に上回る資金がデリバティブに注ぎ込まれている。特に酷いのは、総資産額の427倍に相当する金額がデリバティブに割り当てられているゴールドマン・サックスだ。スナイダー氏は、こう付け加えている。
正に狂気だ。狂っている。こんな危険な状態なのに、何故もっと多くの人たちが報道しないのだろうか?不思議だ。



(情報源:76% of Americans are living paycheck-to-paycheck

Americans still don't trust the stock market

 We Are In FAR Worse Shape Than We Were Just Prior To The Last Great Financial Crisis

コメント