SNSがあれば株のアナリストは要らない??

先週になりますが、「大衆の意見は、思っている以上に役立つ」、という内容の記事がウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されていました。実例として挙げられていたのは、SeekingAlpha.comという株サイトです。


個別銘柄やETFに関する多数の記事が載っているサイトですが、記事の投稿は誰でもすることができます。ですから、私がグーグル株に関する記事を書いて、もしそれがよしと認められれば記事はサイトに掲載されます。

2005年から2012年までにSeekingAlpha.comに掲載された10万の記事を調査したユー・ジェフリー・フー氏は、こう語っています。
今日現時点で私が知る限り、SeekingAlpha.comは株価の動きを予想できる唯一のサイトだ。
フー氏の行った調査の一例です。
先ず、株価に悪影響になると思われる言葉を含んだ個別銘柄に関する記事を見つける。数ヶ月間その株価を追い続けて分かったことは、否定的な記事は株価に悪影響となっただけでなく、予想以下の悪い決算発表をも予期していた。
更にフー氏は、こんな実験もしています。
SeekingAlpha.comの投稿者、そして読者たちに最も好かれている株を買い、最も嫌われている株を空売ってみたところ、数年間にわたり40%もの利益を上げることができた。
ウォール・ストリート・ジャーナルはこう書いています。
証券業界のアナリストたちの意見は役に立たないのだろうか?フー氏は、「SeekingAlpha.comは、ウォール街のアナリストより優れているという訳ではない。違いは、SeekingAlpha.comから読み取れる貴重なセンチメントだ」、と語っている。
更にフー氏は、「SeekingAlpha.comは誰でも投稿できるサイト、要するにウィキペディアと同様な大衆プラットフォーム型のサイトだ。両サイトに言えることは、情報が正確であるだけでなく、取り扱われているトピック数も多くアップデートも頻繁だ。ウォール街のアナリストが追っている銘柄数には限りがあるが、SeekingAlpha.comではあらゆる業種の株が取り上げられ、状況が変化する度にアップデートされた記事が掲載されている。しかし、ウォール街からのレポートが素早くアップデートされることはない」、と述べている。
プロに対する不信感が、SeekingAlpha.comを成功させた大きな理由の一つになると思います。1990年代の終わり、人々はインターネット株に浮かれ、正にバブル状態でした。本来ならアナリストは警鐘を鳴らすべきなのですが、証券業界から追放されたヘンリー・ブロジェット氏の例で分かるように、アナリストは株価を煽る買い推奨記事ばかりを書いていました。

2007年、2008年のサブプライム危機、金融危機の時も同じです。格付け会社とグルになり、金融商品化した危険なサブプライムローン関連商品にAAAの最高格付けを与え、アナリストは買いを勧めるレポートを発表していました。

信用を取り戻すために、ウォール街はSeekingAlpha.comから学ぶ必要があると思います。言い方は悪いですが、ウォール街のアナリストはお高くとまりすぎです。もちろん、彼らが相手にしているのは金持ちだけであり、最初から庶民を相手にしていないということは分かります。しかしイメージを良くしたいのであれば、SeekingAlpha.comのように、もっと大衆との対話に力を入れるべきです。

ほとんどアクセスしたことがないので断言はできませんが、日本の場合は、「みんなの株式」がSeekingAlpha.comに似ていると思われます。証券会社が重要な株情報源、という時代は既に終わり、今や情報入手に欠かすことができないのはSNSです。


(参照した記事:Wisdom of Crowds: The Value of Stock Opinions Transmitted Through Social Media

Study: Crowdsourced Stock Opinions Beat Analysts, News

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