米国事情: 下がる世帯所得、上昇する物価

MarketWatch.comのヘッドラインです。

「2009年以来、株式市場は170%の上昇、あなたの株も同様な成績ですか?」
見るからに、インデックス・ファンドの推奨記事といった感じです。「私たちはマーケットに勝つことはできない。わざわざ時間をかけて自分で銘柄を選ぶより、マーケットに連動するインデックス・ファンドを買ったほうがトクだ!」、というのがインデックス・ファンドを勧める人たちの大きな理由です。

さて、記事を実際に読んでみましたが、思っていたような内容ではありませんでした。要点を一行にまとめると、「マーケットは確かに好調だが、米国は決して喜べる状態ではない」、になります。

株式市場は、豊かさを測定する一つの指標にすぎない。現に、減少する米国世帯の所得、上昇する物価、超低金利の預金口座といった問題は今日も相変わらず存在している。
下のチャートを見てください。

データ: セントルイス連邦準備銀行
米国世帯の平均所得の推移です。見てのとおり、明らかに減少しています。そして下は消費者物価指数です。

データ: セントルイス連邦準備銀行
1982年-1984年が100に設定され、2014年1月の数値は234.933です。明らかに物価は上昇しています。

そして困ったことに、米国の物価はいっそう上昇しそうです。


商品市場の動きを示すCRB指数(日足)です。この指数は19の商品で構成されています。
アルミニウム、ココア、コーヒー、銅、トウモロコシ、綿、原油、金、灯油、赤身豚肉、生牛、天然ガス、ニッケル、オレンジジュース、銀、大豆、砂糖、ガソリン、小麦
チャートの円で囲った部分を見てください。今年に入ってから指数は急騰し、50日移動平均線が下から上に200日移動平均線をクロスして、ゴールデンクロスという現象が起きています。言い換えると、ダウントレンドが終了しアップトレンドの開始です。

商品市場の上昇は、先ず生産者の物価指数に影響しますから、直ぐに消費者物価指数に反映されることはありません。しかし、商品市場が下げから上げ相場に変わったことを考えると、スーパーマーケットに並んでいるミルク、バター、肉などの食品の値段が上がるのは時間の問題です。

下降する世帯所得、しかし上昇する物価、正にこの歌がぴったりです。
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
石川啄木

(参照した記事:The market is up 170% since 2009, but are you?

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