あなたはどちらを信じますか、チャートですか、それともファンダメンタルズですか?

このツイートに思わず笑ってしまいました。


質問: デイトレーダーが損の出ているポジションを抱えていることが、どうして分かりますか?
回答: 会社のリサーチを始めます。

多くのデイトレーダーに共通して言えることは、彼らにとって大切なのは値動きであり、会社のファンダメンタルズ、ようするに財務状況などは重要ではありません。ですから、デイトレーダーに必要なのは1分足、5分足などの短期チャートであり、買った銘柄の会社名は知っていても、それ以上の内容には全く興味がありません。

しかし、そんな彼らでも、持ち株に損が出始めると、なぜかファンダメンタルズのことが急に気になります。さっそくヤフー・ファイナンスへアクセスし、業務内容、最新の決算報告などに目を通し、この会社が何をしている会社かを知ることになります。

思惑が外れたのなら、すぐに損切ってポジションを手仕舞ってしまえばそれで済むのですが、何故この期に及んで、わざわざファンダメンタルズを調べるのでしょうか?理由は色々あると思いますが、私がファンダメンタルズを調べた理由は、自分のトレードは間違っていないという証拠を見つけるためでした。実際には、こんな感じです。
・ ここ数年間、毎年着実に一株利益が上がっている。
・ 売上も着実に伸びている。
・ バンク・オブ・アメリカのアナリストが買い推奨を出している。
要するに、自分に都合の良い事実だけを集め、損の出ている株の保有継続を決定します。言い換えると、デイトレードである筈のポジションが、いつのまにか長期投資に変わってしまう訳です。もちろん、こんなやり方で成功するほど株は甘くないですから、最終的には必要以上の損を出して損切りです。

デイトレードだけでなく、長期投資にもファンダメンタルズは無用、という考え方もあります。この考え方を有名にしたのは、「ウエンスタインのテクニカル分析」の著者、スタン・ウエンスタイン氏です。


氏の考え方が要約されているのが上のチャートです。マーケットには4つのステージしかありません。
ステージ1: 安値圏での横ばい 
ステージ2: 上昇基調 
ステージ3: 天井の形成 
ステージ4: 下降基調
更にウエンスタイン氏は、30週移動平均線をステージの把握に利用しています。それでは、S&P500指数の週足チャートを見てみましょう。


現在のステージは何でしょうか?1の矢印は上昇ですから、現在のステージは2である、と判断することができます。しかし実際は、ステージを判断することは、そう簡単なことではありません。

2の局面では移動平均線は下げ方向ですから、そこはステージ4の下降基調です。しかし、3を見てください。横ばいではなくV字型の回復ですから、そこがステージ1であったことに気が付いた人は少なかったことでしょう。

4、5、6、7の部分を天井と判断した人も多かったことでしょう。特に2011年、5の部分は高値圏で横ばい、そしてその後30週移動平均線割れですから、典型的な天井に見えます。

現在の米国株式市場は割高でしょうか?ミューチュアル・ファンドで有名なフィデリティ社のサイトに、こんなことが書かれています。
投資でよく議論されるのはバリュエーションだ。去年のマーケットは大きな上昇となり、今年更なる上昇が正当化されるためには、企業利益も伸びる必要がある。 
一口にバリュエーションと言っても、割安割高を判断する方法は色々あるから、全てのアナリストが同じ結論に達することはない。 
一般的な方法に、予想される利益を使って計算したPER(株価収益率)がある。ゴールドマン・サックスのアナリストによると、現在の米国株式市場のPERはほぼ16倍であり、過去35年間の平均値13倍を上回っている。更に1976年以来、PERが17倍を超えた回数は5%しかなく、言い換えると現在のPERが更に上昇することは異例なことになる。
米国株式市場はステージ2の上昇基調、しかしPERで判断すると歴史的平均を上回る割高です。ということで、多くの人たちは、ここからの米株買いは積極的にできない、と判断することでしょう。


(参照した記事:Are stocks overvalued after last year’s surge?

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