米国株式市場の大幅調整は無い!?

量的緩和の縮小、更に連銀は思っているより早く金利を引き上げるかもしれないという見方が高まり、多くの人たちは低金利時代の終焉、そして高金利時代の到来を予測しています。しかし現状は、下の米30年国債の利回りチャートで分かるように、長期金利は上がるのではなく逆に下がっています。


1月がピークとなり、現在の利回りは3.558%です。繰り返しになりますが、高金利到来が予想されるなら、国債は売られて利回りは上昇する筈です。なぜ、このような予想に反する展開になっているのでしょうか?

マイケル・ゲイド氏(Pension Partners, LLC)は、こんなことを指摘しています。
テーパリングやタカ派的なイエレン氏のコメントにもかかわらず、国債が買われ長期金利が下がっている。更に興味深いことは、投資家たちが最近買っている株は電力やガスなどの公益株、そしてヘルスケア関連などの一般的に言われる安全株だ。これが意味することは投資心理の変化であり、投資家たちは明らかに株式市場の大きな下げを心配している。
今日の米国株式市場に見られる危険シグナルとして、USA TODAYは次の三つを挙げています。
1、IPO(新規公開株)の失敗: 待望されたIPO、King Digital Entertainmentが3月26日、ニューヨーク証券取引所に上場された。IPOの初日取引は平均で22%ほどの上昇になるが、King Digital Entertainmentの初日は15%の下落だった。更に、最近取引が始まった8つのIPOの全てが低迷しており、投資家たちのIPOに対する関心度が下がっている。
2、弱さが見え始めた人気株: フェイスブック、テスラ・モーターズなどの急上昇していた株が最近大きく売られている。
3、売られる小型株: 2013年のマーケットで大活躍したのは小型株だが、今年の小型株の成績は冴えない。
今年ここまでの動きを見てみると、大型株指数のS&P500は+1.4%、小型株指数のラッセル2000は+0.16%です。極めて大ざっぱな言い方になりますが、大型株は安全であり、小型株は投機性が高く危険度も高くなります。もちろん大幅上昇が期待できるのは小型株の方ですが、今年に入ってからの成績が示していることは、投資家が求めているのは安全性です。

先週も指摘したことですが、もう一つ忘れてはいけないのは最近好調な新興市場株です。とにかく大きく売り叩かれていただけに、割安株を求める資金が新興市場へ流入し始めています。ゲイド氏はこう語っています。
もし新興市場も低迷しているなら、私は米国株式市場の大幅調整を声高に叫んだことだろう。しかし、最近の好調な新興市場のお陰で、米株は大きな調整を免れることができそうだ。

(参照した記事:Is this the correction, or a coming crash?

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Not so sweet IPO: Candy Crush maker slides 15%

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