サブプライムローンを憶えていますか?

米国にサブプライムローンが戻ってきた、と報道されています。
サブプライムローン: 通常の住宅ローンの審査には通らないような信用度の低い人向けのローンである。狭義には、住宅を担保とする住宅ローンを対象とするが、広義には、自動車担保など住宅以外を担保とするものを含む。一般的に他のローンと比べて債務履行の信頼度が低く、利率が高く設定される。(ウィキペディアから) 
思い出せば、サブプライムローンは深刻な社会問題に進展しました。サブプライム住宅ローン危機、住宅バブル崩壊、住宅ローン関連金融商品の暴落、そして2008年はリーマン・ブラザーズの倒産、世界的な金融危機、とにかくサブプライムローンに良い思い出はありません。




なぜ今日、サブプライムローンが戻って来たのでしょうか?CNNマネーはこう報道しています。

今回のサブプライムローンは、かなりの割高だ。住宅バブルの時は、誰でも簡単に借りることができた。銀行やローン会社は、客を獲得するためにサブプライムローンの金利を一定期間極めて低くし、場合によっては頭金ゼロでも借りることができた。
あの頃は、こんなことが言われてました。「銀行から金を借りるのは簡単だ。心臓が鼓動していることを証明すればよいだけだ。」
今日のサブプライムローンは違う。先ず、25%から35%の頭金が必要になり、金利は8%から10%の高金利だ。(普通の住宅ローンの利子は4.16%~4.74%)
どんな人たちが、こんな高金利にもかかわらずサブプライムローンを利用しているのでしょうか?馬鹿にしたような答えに聞こえるかもしれませんが、普通のローンで借りることができない人たちがサブプライムローンの利用者になり、二つのケースがあります。
1、信用歴に傷がある人たち。たとえばローンの滞納、個人破産など。
2、初めて住宅を購入する若い人たち。(若い人には十分な信用歴が無いため、普通のローンで借りるのが難しい。)
サブプライムローンの金利は固定ではなく変動するのが一般的ですが、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サブプライムではなく普通の変動金利住宅ローンの需要が最近増えています。金利の低下が予想される場合、あるいは、当分の間は金利に変動はないと予想される場合なら変動金利住宅ローンは便利です。

ご存知のように、米国は量的緩和の縮小が始まり、毎月のFRBによる資産購入額が減らされています。更に、先日のイエレン議長の言葉で分かるように、ゼロ金利の解除は予想していたより早く訪れそうです。こんな状況ですから、これからは金利上昇が心配になり、変動金利ローンが不利になるのは時間の問題と思えます。

では、どんな人たちが変動金利ローンを今日利用しているのでしょうか?
金融機関が焦点を合わせているのは、信用歴の確りした人たちであり、特に41万7001ドルから100万ドルまでのジャンボ変動金利住宅ローンだ。2012年、ジャンボ変動金利住宅ローンが変動金利住宅ローンを占める割合は22%だったが、2013年この数値は31%に跳ね上がった。更に2013年、100万ドルを超えるローンの61%は変動金利であり、2012年は56%だった。
金融機関は厳しい審査をして借り手を厳選していると言うが、客の層は拡大している。たとえば、あるクレジット・ユニオン(信用金庫)は、引退者や低金利を求める人たちに変動金利住宅ローンを勧めている。(最初の1年から5年間は、変動金利住宅ローンの利子の方が固定金利ローンの利子より安い。)
バンク・オブ・アメリカ、シティグループでは、インタレストオンリー変動金利住宅ローン(指定された最初の期間は金利のみを支払う金利変動型住宅ローン)が増えている。(今日、シティグループが扱う変動金利住宅ローンの半分はインタレストオンリー変動金利ローン。他行では、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの場合、ほとんどのローンはインタレストオンリー変動金利だ。)
インタレストオンリーというのも嫌な言葉です。なぜなら、そんなローンが流行ったのは住宅バブルの時です。銀行は、「客を厳しく審査しているから問題は無い。それに、変動金利ローンは以前のように金融商品化などしていないから、金融市場に大きな被害を与える可能性も無い」、と言います。

トッド・ヘイガーマン氏(Sterne, Agee & Leach )は、こう語っています。
変動金利型の融資が増えているのは自然の成り行きだ。金融危機以来、銀行はあまりにも慎重になっていた。言い換えれば、銀行は保守的すぎた融資姿勢に、やっと気がついたのだ。
超量的緩和が長く続き、銀行には大量な現金があります。金利が低い状態では、銀行は金を貸しても大きく儲けることができません。しかしイエレン議長の言葉から判断できるように、これからは金利の上昇を心配しなくてはいけません。ということで、銀行は変動金利ローンに、ますます力を入れることでしょう。


(参照した記事: Subprime mortgages making a comeback

Adjustable-Rate Mortgages Make a Comeback

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