大手銀行から顧客へ: 「多額な現金の引き出しをお断りします」

銀行へ金を下ろしに行ったのだが、希望する金額を引き出すことができなかった、ということがイギリスで起きている。
HSBC imposes restrictions on large cash withdrawals
上は、1月24日のBBCのヘッドラインだが、大手銀行HSBCは多額な現金引き出しの制限を始めたようだ。




多額な金額というのは、いったいどれくらいの額なのだろうか。

スティーブン・コットン氏は、母親から借りた金を返すために、7000ポンド(約119万円)を下ろしにHSBCへ行った。氏は、それ以上の金額を1年前に下ろしたことがあるが、今回は違った。「用紙に記入し窓口の担当者に渡したところ、引き出しを断られました。」
言うまでもなく、大手銀行HSBCに119万円の金が無いなどということは有りえない。なぜ銀行は、コットン氏の現金引き出しを受け付けなかったのだろうか。
銀行側の説明によると、「引き出す金の使い道が明確でない」、と言うのです。更に担当者は、「この金は借金返済に使われる」、ということいを証明する手紙が欲しい、と付け加えました。
7000ポンドが多すぎるのなら5000ポンドなら下ろせるのか、という質問に対する回答は「ノー」、そして4000ポンドも同様の「ノー」だった。3000ポンド(約51万円)なら大丈夫だ、と担当者は言うので、コットン氏は2度に分けて6000ポンドを下ろすことを思いついたが、「一日に2回、同様な金額を引き出すことは不可能」、と担当者に言われてしまった。

コットン氏以外にも、「金の使い道が明確でない」、という理由でHSBCの顧客たちは現金の引き出しを断わられている。自分の金を下ろすのに、「金の使い道」を説明、証明する必要があるのだろうか。HSBCはこう答えている。
お客様から通常の額を超える現金引き出しの申し込みがあった場合、私たちは、そのお金がどう使われるのかを尋ねることにしています。場合によっては、使い道を証明する文書を求めることもあります。そのようなことを11月から当銀行が実施しているのは、私たちにはお客様を金融犯罪から守る義務があるからです。
HSBCには、客からの苦情がかなりあったようだ。後日、HSBCは顧客たちに詫び、使い道を証明する文書無しで多額の現金を引き出すことができる、と発表した。

言い過ぎかもしれないが、HSBCの態度に今日の傲慢な大手銀行の姿を見ることができる。銀行へ金を預けた瞬間に、それはあなたの金ではなく銀行のものになる。ローンの申し込みなら話は別だが、「何のために、そんな額の金が必要なのですか」などという質問は、自分の口座から金を下ろしに来た客にされるべきではない。

もっと怖いのは銀行を管轄している政府機関だ。キプロス問題を思い出してほしい。アメリカも日本も膨大な赤字を抱えているから、政府は預金課税を導入して、好きなだけの金額を国民から取り上げることができる。悲観的な見方かもしれないが、増税だけで間に合わなくなれば、政府は国民の銀行口座に手を付けるような気がする。


(参照した記事:HSBC imposes restrictions on large cash withdrawals

Bank-Run Fears Continue; HSBC Restricts Large Cash Withdrawals

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