2014年1月11日土曜日

私たちは、なぜ天井で買ってしまうのか?: 金の大幅下落が教えてくれたこと

2011年9月6日の高値から38%の下落となり、金は輝きを失った。20%の下落がベアマーケットなら、30%を超える下げは暴落だ。 -- バリー・リットホルツ氏(ritholtz.com)
金が天井を形成している時、全ての人が金を売却したから金価格が下がった訳ではない。言い換えると、2011年に金を積極的に買い、途中で手放すことなく今日まで保有し続けている人たちもいる。

後になって振り返れば、あそこが天井だった、と簡単に分かるが、実際に天井が形成されている時は、なかなかそれが分からない。私たちは、なぜ天井の形成中に買ってしまうのだろうか。金の暴落から、私たちはどんなことを学ぶことができるだろうか。リットホルツ氏は、こんなことを指摘している。

・ 魅力的なストーリーに要注意: 私たちはヒーローが活躍する物語が好きだ。ウォール街が金融商品を宣伝する場合、必ず用意するのは魅力的な物語であり、金もその例外ではない。金は2005年に既にブレイクアウトしていたが、2007年-2008年の金融危機は金を売り込むための絶好のストーリーとなった。「金は最高の避難場所だ」、「政府が刷り続ける紙幣は信用できない」、と説得性の高いストーリーが流され、「金の目標価格は1万ドル」、という強気意見も発表された。問題は、魅力的な物語には説得力は有っても、それを証明するデータの裏付けが無い。
・ 次々と現れる新商品: 金の人気化に伴い、ウォール街は次々と金投資に関連した商品を発表した。大成功したのは金のETF、SPDR Gold Shares (GLD)だ。そしてこのETFの成功をキッカケに、こんなETFも誕生した。Market Vectors Junior Gold Mine (GDXJ): 中型/小型金鉱株専門のETF。E-TRACS S&P 500 Gold Hedged (SPGH): 金とS&P500に半々の投資をする上場投資証券。 iShares Gold Trust (IAU): 金の現物だけに投資するファンド。これらはほんの数例だが、金人気に便乗して、新商品が次々と誕生した。言い換えると、大衆を金投資に引き込むために、新商品が次々と考案された訳だ。
・ 繰り返される歴史: 金だけに限ったことではない。アップル株、米国債などの例で分かるように、人気が永久に続くことはない。
・ 状況の変化に要注意: 金融危機、景気の後退が金を買う大きな材料となった。しかし問題は、投資家たちは「金融危機」と「景気の後退」が永久に続く、と信じてしまった。上昇、下降という周期があるように、同じ状況がいつまでも継続することは無い。
・ 材料の織り込み: プロは現在の株価には、どんなことが既に織り込まれているかが分かる。しかし、アマチュアにはそれが分からない。噂、魅力的なストーリー、ニュースなどが私たちの耳に届く時は、それらの材料は株価に既に織り込まれている。
・ ファンダメンタルズ?: 金の適正価格はどれくらいだろうか。金利、GDP、企業利益、赤字、雇用状況、インフレ率、と様々なデータをアナリストは分析するが、最終的に出される結果は、あくまでも一意見であり絶対的な結論ではない。極めて簡単な言い方をすれば、買いたいという人が現れ続ける限り金価格は上昇する。これは取引所で取引される全ての物について言えることだ。





(参照した記事: 10 Reasons the Gold Bugs Lost Their Shirts

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