米国債: 今のところサポートラインは無事だが、、、

先ず、11月20日のニュースから見てみよう。
FOMC議事録:「数カ月内」に緩和縮小の可能性
米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公表した連邦公開市場委員会(FOMC、10月29-30日開催)の議事録によれば、政策当局者らは経済の改善に伴い、月額850億ドルで実施している債券購入の規模を「数カ月内」に縮小する可能性があるとの認識を示した。(ブルームバーグ)
下は、米長期国債のETFの日足チャートだ。



1の長い陰線で分かるように、FOMC議事録は売り材料となった。その後、昨日今日と二日連続で反発しているが、こういうパターンが形成される可能性がある。



「下げ三法」と呼ばれる売りパターンだ。陰線の後、小さな陽線が三本形成され、ひょっとすると底打ちかもしれないと思うのだが、結局長い陰線が出現して下げが再開となる。

議事録が米国債の売り材料となった、という見方が圧倒的に多いが、もう一つの原因は中国だ。
[北京 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の易綱・副総裁は20日、外貨準備高をこれ以上増やすことにはメリットがなく、適正な水準で維持する考えを示した。中国の外貨準備は世界最大規模となっている。
中国国家外為管理局(SAFE)の局長でもある易副総裁は「外貨準備を増やし続ければ、保有による利益より損失の方が大きくなると現時点では考えている」と指摘。「外貨準備が増加し続けるのは、もはや費用効率が高いとはいえない」と述べた。
この報道を、アナリストたちはこう解釈している。
中国人民銀行は介入をやめて、人民元を市場で自由に取引させる準備ができたようだ。そうなると今までのようなドル買いが不要になる。更に、中国はこれ以上のドルが必要でないのなら、米国債の買いも控えることだろう。
とうぜん疑問になることは、もし中国が米国債の買いを控えた場合、その減った分は誰が買うのだろうか?(中国が保有する米国債は1兆3000億ドル、第2位は日本の1兆1000億ドル。)最悪の場合、他国も中国に従って米国債を買い控える可能性があるから、米政府はそう簡単に量的緩和の縮小はできないような気がする。

中国のニュースを、もう一つ見てみよう。
[上海 21日 ロイター] -上海先物取引所(SHFE)の楊邁軍・会長は21日、同取引所で開始が予定されている原油先物取引について、人民元建てになる可能性があると明らかにした。
もしこれが実現すれば、人民元の地位が高まりドルの地位が一段低くなる。マイケル・スナイダー氏(The Economic Collapse)は、こう述べている。
海外からの米国債、そして米ドルの需要が減っている。これが意味することは、海外からの輸入品が値上がり、米国消費者たちの生活が苦しくなる。更に、米政府は今までのような低金利で国債を発行することが不可能となり、海外から金を借りることが割高となる。
米長期国債ETFの長期チャート(月足)を見てみよう。


現在、102ドル付近がサポート(1)になっている。ここを割ってしまうと、88ドルあたり(2)まで下げてしまう可能性がある。国債が下がると利回りが上昇し、結果的に住宅ローン金利や自動車ローン金利も上昇するから、消費者には嬉しくない話だ。

米国債を積極的に買う理由は今のところないから、110ドルに走るレジスタンスライン(3)を突破するのは難しいような気がする。


(参照した記事:FOMC議事録:「数カ月内」に緩和縮小の可能性

中国の外貨準備、これ以上の増加は費用効率高くない=人民銀行副総裁

The other 'taper' that could hit Treasurys

China Announces That It Is Going To Stop Stockpiling U.S. Dollars

上海先物取引所の原油先物、人民元建ての可能性=会長

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