クーデターは買い材料???

[カイロ 3日 ロイター] - エジプトのモルシ大統領の治安顧問を務めるEssam El-Haddad氏は3日、「軍事クーデター」が始まっており、軍や警察当局による大統領支持派のデモ排除が今後予想されると述べた。(略)El-Haddad氏は「現在起きているのは軍によるクーデターだ」との声明を発表し「大量の流血」が起きると警告した。(後略)

こんなニュースにもかかわらず、エジプト株に投資しているETF、Market Vectors Egypt Index (EGPT)が4.59%の大幅上昇となった。下が日足チャートだ。





1が今日形成された長い陽線だが、2の昨日のローソク足で分かるように、エジプト株の買いは既に始まっていた。半日マーケットだったにもかかわらず、今日の出来高(3)は通常の9.8倍に相当し、昨日の大きな出来高も上回っている。目先の注目は、直ぐ上に迫っている以前のサポートラインだ(4)。一般的に言えることは、古いサポートラインはレジスタンスラインになってしまうことが多いから、安値付近で既に買っていた人たちが一旦そこで利食いする可能性がある。

しかし、軍事クーデターにもかかわらず、なぜ株が買われたのだろうか?スティーブン・ベイリー氏(スタンダード・バンク)は、こう説明している。

こんな状況にもかかわらず、このマーケットの建設的な動きは興味深い。言うまでもなく、短期中期的に見た場合、モルシ政権が株に好影響だと思っている人はいない。もし軍部から最後通告という事態になれば、モルシ政権の存続は不可能になり、その結果これ以上の社会政治的な混乱を防ぐことになるだろう。

なるほど、言い換えれば最高経営責任者の辞任で株価が上がるのと似ている。2012年になるが、シティのビクラム・パンディット氏が辞めた日、今日のエジプト株ほどの上げではないけれども、シティ株は1.6%の上昇となった。パンディット氏が最高経営責任者に在職中、シティ株は88%の大幅下落という惨めな状態だっただけに、株主たちはパンディット氏の辞任を熱望していた訳だ。

そして今日、エジプト市民はモルシ氏の失脚を熱望し、国は混乱に陥っている。「モルシ氏がいたのでは国は悪くなる一方だ。次の大統領は誰でも構わない。誰が次期政権を握っても、今より悪くなることはないだろう。」それが本当の買い材料かどうかは分からないが、混乱が長期化し、大量な血が流されるような事態になれば、株価は大きく崩れることだろう。という事で、現時点で積極的にエジプト株を買うのは極めて難しい。


(参照した記事:エジプト軍が大統領執務施設包囲、モルシ氏側近「クーデター始まっている」

Egypt’s Falling Apart, Why is Its Stock Market Rising?

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