米雇用統計:失業率上昇は好材料??

金曜に発表された米国5月の非農業部門就業者数は、予想されていた16.9万人増を上回る17.5万人増という結果だった。景気回復は引き続き順調に進んでいる、ということになるらしいのだが、いったいどんな仕事が増えているのだろうか。

増加が目立ったのはレストラン(+38,100人)、小売業(+27,700人)、一時雇用(+35,600人)の3分野になり、それらを合計すると5月の雇用増加の半分以上となる。これらの業種は一般的に給料が低く、このような仕事が増えているということは労働市場が弱いということだ。もちろん、どんな時代にも給料の低い仕事は存在する。しかし労働市場が強い状態なら、人々は給料の安い仕事を避ける。 -- ディーン・ベイカー氏(経済ポリシー・リサーチ・センター)

こういう内容の記事も多い。


今回の雇用統計には好材料も含まれている。例えば、失業率は前回の7.5%から7.6%に上昇しているから、心配されている量的緩和の早期終了の可能性が無くなった。

極めて簡単に今日のアメリカの世論をまとめると、「景気の回復が順調に進んでいるのは良いことだが、まだ強さが見られない。出口模索などしないで、量的緩和策は現状どおり続けるべきだ」、ということになる。

もちろん、こういう少数意見もある。

自分たちの言っていることが分かっていない。失業率が上昇したから、これで現状どおり量的緩和策が継続されそうだというのが、なぜ好材料なのだろうか。これは失業率の上昇を喜んでいるのと同じであり、失業者数が更に増えることを望む態度にも見える。 -- ジョシュア・ブラウン氏(投資アドバイザー)

失業率が深刻なのは若い世代だ。

特に16歳から24歳までの黒人の失業率が高い。5月の失業率は28.2%となり、4月の24.9%を上回った。(Forbes誌)

これと対照的なのが55歳から69歳までの人たちだ。


チャート:zerohedge.com
順調に株価は上昇中といった様相だが、このチャートには55歳から69歳までの人たちの雇用レベルが示され、中高齢労働者数が年々増えている。若い世代が仕事が見つからないのは高齢者が悪い、と単純に結論する人もいるが、見方を変えれば今日のアメリカ社会では、50代で退職するのは夢のような話であり、そんな年代で仕事を辞めたら食べていけないということが示唆されている。

zerohedge.comには、もう一つこういうチャートがある。



就業者数の増加状況が示されている。黒い線は55歳以上の人たち、そして赤い線は54歳以下の人たちの様子だ。見てのとおり、黒い線は上昇しているが、赤い線は0未満で推移している。明らかに、米国労働市場は高齢化し、若い世代は職探しに苦労しているようだ。


(参照した記事:The Unemployment News Is Worse For Many

Waiter and waitress nation: The May payrolls report shows the US creating jobs, just not many good ones

Number Of Older Workers (55 And Over) Rises To New Record High

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