ドル円:滑り台が始まった?

「ドル円が100円を割った」、と多数ツイートされています。下の日足チャートは、火曜午前3時(日本時間)時点のものです。




長い陰線(1)が形成され、ドル売りの圧力が増大しています。ボリンジャー・バンドの幅は広がり始め、ボラティリティも増大しています。2のセンター・ライン(21日移動平均線)は下げ方向になり、ドルは更に下げそうな様相です。

現在の様子は3の部分(4月1日)に似ています。

・長い陰線
・ボラティリティの上昇
・下向きとなったセンター・ライン

しかし下げは続かず、4月4日(4)、「異次元緩和」が発表されドル円は巨大な陽線を形成し、一気に下げから上げに転じてしまいました。はたして今回も、異次元緩和に匹敵する強力なニュースが発表される可能性はあるでしょうか?今週金曜、5月分の米雇用統計が発表されます。(市場予想は、非農業部門雇用者数は+16.5万人、失業率は7.5%です。)よほど強い数値、例えば失業率が7%を割った、といった極端な内容でない限り、4月4日のような大陽線が再現されることは無いと思います。もっと言えば、異次元緩和に相当するニュースなど、そうざらにあるものではありません。

急速に進んだ円安を苦々しく思っている韓国は、6月17日から開催されるG8サミットで、これ以上の円安を阻止するために「円安」について話し合うことをG8諸国に要求しています。しかし今日の100円割れ、そして90円台でサミットを迎えれば、円安はサミットで大した話題になることはないと思います。マーク・チャンドラー氏は、今朝のコラムでこう書いています。

円安を阻止したい韓国だが、韓国は協力者を得ることは無理だろう。なぜなら、最近6カ月間の動きを対ドルで見た場合、韓国ウォンは4%の下げとなり、アジアで二番目に弱い通貨になった(この下げの半分以上は5月に起きている)。更に、先週発表されたデータによれば、韓国の5月の貿易黒字は4月の2倍以上に伸びている。

ジェイミー・コールマン氏(fxbriefs.com)は、こんな見方をしています。

円安に関して、Gナントカという会議に大きな期待をすることはできない。世界の先進国が、円安を面白く思っていないことは確かだが、それ以上に面白くないことは、20年も続いた日本のデフレがこれ以上続くことだ。不平を言うことはあっても、Gナントカに属する国々は、日本の経済刺激策を黙認しているのが現状だ。

チャートに話を戻しましょう。上のドル円のチャートをもう一度見てください。下限バンドが下げ方向となり、トレーダーたちが言う「滑り台」になる可能性があります。下は、滑り台の一例です。



アップル株の日足チャート、去年の秋の様子です。下降する矢印で分かるように、下限バンドが滑り台になり、株価が大きく下落しています。下げは、ほぼ2カ月続き、株価がセンターラインの上に戻ったのは11月26日(1)です。

もちろん、現時点では、ドル円がアップルのような下げになるかは分かりませんが、滑り台の可能性があることを頭に入れておきたいと思います。


(参照した記事:Korea Complains The Loudest About Japan Ahead Of G8 Meeting

G7 can’t even be bothered to huff and puff

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