ヘリコプター・ベンはもはや存在しない

世の中には「万年ベア」と呼ばれる、いつも弱気論ばかりを唱えている人たちがいる。一例をあげれば、リチャード・ラッセル氏(ダウ・セオリー・レターズ)だ。今年の3月12日になるが、ラッセル氏は株の買いを推奨し、投資家たちを大いに驚かせた。著名弱気論者が強気になったということで、「マーケットはここが天井だ。持ち株を処分する時が来た!」、という意見でインターネットは溢れた。


ラッセル氏が買いを勧めた日、S&P500指数は1552.48で終了した。今週のマーケットは大きく崩れたが、もし昨日(6月21日)の終値1592.43で売ったとすると2.6%の利益だ。小さな利益だが、注目したいのは、3月12日に突然買いを勧めた氏の理由だ。

指標は、マーケットが更に高くなることを示している。ご存知のように、米国の通貨をコントロールしているのは連銀だ。バーナンキ議長の最近の言葉を読むと分かることだが、連銀は出来る限りの手を尽くして、株式市場を上昇させることだろう。言い換えれば、株式市場が生きるか死ぬかは、連銀の一存にかかっている。

更にラッセル氏は、株式市場を上昇させる資金源として次の4つを挙げていた。

1、まだマーケットに参加していない個人投資家たち。彼らは、金融危機や景気の後退で大きな損を出したが、上昇が続くマーケットを見て、もう一度株を買ってみようと決心するだろう。
2、株を十分に買っていないファンド・マネージャーたち。
3、空売りの買い戻し。
4、利回りの低い国債から、高配当株への資金の移動。

そして今日、ご存知のように状況は一変した。

先ず、ベン・バーナンキFRB議長の言葉に状況の変化を明確に見ることができる。

バーナンキ議長がFOMC後の記者会見で、今後の経済指標次第としつつも「年内に証券購入ペースを緩めるのが適切」と述べた。議長は2014年半ばに購入を停止する可能性にも言及した。(6月20日の日本経済新聞から)

これが意味するのは、ヘリコプター・ベンの終了だ。




札束をばらまいてくれた(超量的緩和策)有り難いヘリコプター・ベンがいなくなってしまえば、市場へ流入する資金が減ってしまう。投資家たちの反応は速かった。株、国債、金、銀、と無差別にアセットが次々と売られた。

先週のマーケット混乱について、こういう見方もある。

長期的に見れば、先週起きたことはマーケットが今までの異常な状態から正常な状態に戻ろうとしている訳だから、これは悪いことではなく良いことだ。資金を市場へ注入し続けた連銀、世界的な超低金利政策、輝くという理由だけで高騰した金、あり余る資本流入が原因で上昇したマーケット、これらは全て異常だ。異常な市場が正常に戻るには時間がかかり、市場を乱高下させる原因になる。しかし、私たち投資家は動揺する必要はない。(munknee.comから抜粋)


(参照した記事:What Happened to the Markets? Why Did It Happen? What Does it Mean?

米国株、大幅反落 ダウ206ドル安 量的緩和の早期縮小見通しで

Richard Russell — One Of The World's Most Famous Bears — Is Now Telling People To Buy Stocks)

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