米国事情:不足するトラックの運転手 

CNNニュースによると、現在アメリカではトラックの運転手が3万人ほど足りない。しかし、その数は10万人に増えることが予想されている。なぜなら、来月から新規制が採用され、トラックの運転手の運転時間が削減されるためだ。


7月1日から新連邦法が実施され、トラックの運転手は7日間で70時間を超える運転が禁止される。(旧法では82時間までの運転が許されていた。)
労働統計局のデータによると、最近12カ月間で運送会社は約4万人を雇ったが、大手運送会社はトラック運転手の獲得に今日も積極的だ。例えばワーナー・エンタープライズは、入社が決まった時点で5000ドルの契約ボーナスを支払っている。

米国の失業率は7.6%の高い水準だ。言い換えると、多くの人たちが仕事を探しているにもかかわらず、運送会社はトラックの運転手をなかなか見つけることができない。去年の夏になるが、PNGロジスティクス社は、トラックの運転手不足をこう説明している。

トラック運転手の高い離職率、そして運送会社が人材をなかなか獲得できない大きな理由は生活スタイルだ。運転手は普通の人のように決まった時間に寝ることができない。生活は不規則になり、一日の大半をトラックの中で過ごす。更に、迅速に安全に配達するというプレッシャーも常にあるから、トラックの運転はストレスが溜まる仕事だ。
もちろん、そんな生活スタイルは気にならない、と言う人たちもいることだろう。しかし、トラックの運転免許は直ぐに取れるものではないから、先ず数千ドル払って自動車学校に通う必要がある。

言われてみれば確かにそうだ。特に長距離トラック運転手の場合なら、一週間立て続けに家を留守にする、といったことは頻繁に起きることだろう。寝泊まりは座席の後ろにある狭いベッドだから、若い頃は良いとしても、長期間に渡って続けるのは難しい仕事だ。

こういう批判的な意見もある。

今日の運転手は労働意欲が低い。「長距離の運転はしたくない。毎晩家に帰りたい。私の責任は運転だけであり、荷物の出し入れは私の仕事ではない。配達は一日一回、それ以上の配達はしたくない。」これでは雇う気になれない。 -- ティム・ハイアム氏(インターステート・ロジスティクス・グループ最高経営責任者)

トラックの運転手が好条件を会社に要求する理由の一つに安全性がある。トラックの運転は米国で死亡事故が多い職業トップ10に属し、10万人に対して24人の割合で死亡事故が起きている。疲労が死亡事故につながる最大の原因ということだから、「荷物の上げ下ろしはしたくない」、という気持ちは分かるような気がする。

昔、菅原文太主演のトラック野郎シリーズがあったが、トラックの運転手に憧れるのは子どもだけかもしれない。


写真:CNN



(参照した記事:Truckers face big labor shortage

REASONS BEHIND THE TRUCK DRIVER SHORTAGE

The Great Truck Driver Shortage

コメント