ダウ新高値 -- 嫌われた上げ相場

2013年3月5日、ダウ指数が新高値を記録した。皆さんさぞ喜んでいるだろう、と思うかもしれないが、今日のマーケットは大衆とは無縁といった感じがする。JPモルガンのストラテジストは、こんなことを語っている。

今日のマーケットに大衆が熱狂している、という様子は見られない。上げ相場が始まってから4年になるが、人々はこの相場をまるで嫌っているようだ。

今朝、こういうニュースも発表されている。

U.S. Consumer Confidence Nosedives in March; 59% Think the Economy Is In a Recession

消費者信頼感の大幅下落、そして消費者の59%が、アメリカの景気は後退期にある、と思っていることを伝えるヘッドラインだ。

今月のIBD/TIPP 景気楽観指数は、前回2月の数値を10.8%下回る42.2という結果だった。この42.2と数値は12カ月平均の47.7より5.5ポイント低く、2007年12月に米国が景気後退期に入ったときの数値44.4も下回っている。(50未満の数字は消費者が悲観的であることを示し、50を超える数字は消費者が楽観的であることを表す。)
「新年早々の増税、それに自動歳出削減に関して正確な情報を全く提供しないワシントンの政治家たちに、消費者は完全に呆れはててしまったようだ。政治的な大きな変革が起きる可能性がある。」 -- テリー・ジョーンズ氏(インベスターズ・ビジネス・デイリー)

ダウ指数が新記録を樹立した今日、Fear & Greed Index(恐怖&欲指数)は、どう変化しただろうか?


資料:CNNマネー

現在の数値は69、見てのとおり欲(Greed)と記され、投資家たちはマーケットを楽観視している。しかし、1カ月前の88という極めて大きな欲(Extreme Greed)からはほど遠く、1年前の66とほとんど変わらない。1年前、ダウ指数は12759、そして今日の終値は14253だから、ダウは12%ほど上昇している。しかし、繰り返しになるが、恐怖&欲指数は1年前と同じだ。

上記したように、半数を超える59%の米国消費者は、アメリカの景気は悪い、と思っている。こんな心理状態では、株に投資してみよう、などといった気にはなれないだろう。上げ相場が始まってから既に4年が経過したが、ウォール街の関係者たちは、この4年間を「hated rally(嫌われた上げ相場)」と呼んでいる。

なぜ上げ相場が嫌われるのだろうか?これを説明しているのが、この見出しだ。

Why America's middle class is losing ground(なぜ米国の中流階級は苦しい状況に追い込まれているのか)

ほとんどのアメリカ人は中流階級に属する。彼らの生活は良くなるどころか、「働けど我が暮らし楽にならず」、といった状態だ。テレビなどでニュースが流されるから、中産階級の人々は、株が好調であることは知っていた筈だ。しかし家賃、光熱費、子どもの教育費を払ったら株に回す金が残らないから株を買いたくても買えない。この4年間で儲けたのは裕福な家庭と機関投資家だ。ウォール街の関係者は「hated rally(嫌われた上げ相場)」と言うけれども、嫌われているのは金持ちではないだろうか。


(参照したサイト:Stocks up, up, up: Dow closes at record high

U.S. Consumer Confidence Nosedives in March; 59% Think the Economy Is In a Recession

Why America's middle class is losing ground

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