救済条件: 預金の一部没収


何と言っても話題はキプロスだ。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は16日、銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだ100億ユーロ規模のキプロス救済計画に合意した。ユーログループ議長を務めるダイセルブルーム蘭財務相は会合後、記者団に対し、キプロスが支援を受ける条件として同国は10万ユーロ未満の銀行預金に6.75%の課税、10万ユーロ以上の預金に9.9%の課税を実施すると説明した。(ブルームバーグ)

一生懸命働いて貯めた金に課税!?当然の結果だと思うが、早速こんなことが起きた。

金融支援策の発表を受け、キプロスでは現金自動預払機(ATM)から預金を引き出す動きが広がり、ATMの資金は多くのケースで数時間で枯渇した。(ロイター)

実際に金融支援策が実施されるにはキプロス議会の承認が必要であり、JPモルガンのアナリストは、こう述べている。


与党が自信を持って期待できる賛成票は(56議席中)26─28票程度だろう。野党は26票前後の反対票を確保できるとみているのではないか。非常に僅差で、現段階では予想がつかない。

税金が好きな人はいないと思う。「預金に課税」と言うけれども、チェコの元経済相ウラジミール・ドロウヒー氏は、こんなことを指摘している。

ドイツなど欧州北部の有権者が一定の負担を求めるのは理解できる。ただ、事実上預金の1割を没収するというのは、危険な前例だ。混乱が深まれば、5割没収といった話にもなりかねない。

最後の部分、「5割没収といった話にもなりかねない」だが、このZero Hedgeの見出しを見てほしい。

Germany And IMF's Initial Deposit Haircut Demand: 40% Of Total

1割ではなく、ドイツと国際通貨基金(IMF)は「預金への課税40%」を要求していたようだ。考えてみてほしい。救済と引き換えに、あなたの預金の40%が没収される。そんな事を、あなたは黙って認めるだろうか?

キプロスの状況は皆が言うほど悪くない。キプロスの失業率は約12%だが、ギリシャやスペインの失業率はその倍以上だ。キプロスの抱える赤字はGDPの87%程度だが、アメリカが抱える赤字はGDPの100%を大きく超えている。キプロスは救済を受けるために、銀行預金への課税を承諾する必要がある。問題は、同様な課税が他国にも起きる可能性があることだ。(The Economic Collapse)

「銀行預金に課税」という条件が提示された背景には、こんな事情もある。


キプロスはタックスヘイブンになることを目指したことでソ連が崩壊後、ロシアの富豪層がマネー・ロンダリングするためにキプロスにペーパー会社を設立するということが流行ったのだそうです。この影響でキプロスの金融機関に預けられている合計700億ユーロのうち、ロシア人の預金が200億ユーロを占めているとされています。つまり、キプロス支援というのはEUに加盟していないロシアの金持ちを助けることにつながる、しかもマネロン、税金逃れしてきた資金を保護することになりかねないから、こんな条件がついたと指摘されています。(ひろこの“ボラタイル”な日々)

支援を受けるのだから、それなりの条件があるのは分かる。しかし、課税という名前で預金の一部が没収されるのは辛い。





(参照した記事:ユーロ、キプロスショックで急落-リスク回避で円は全面高

キプロス支援、預金者負担は「危険な前例」に

Germany And IMF's Initial Deposit Haircut Demand: 40% Of Total

After The Banksters Steal Money From Bank Accounts In Cyprus They Will Start Doing It EVERYWHERE

キプロスショックは買いか?!

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