財政の崖は、もう売り材料にならない??

11月も終わりに近づき、いよいよ今年のマーケットも12月を残すのみとなった。大統領選挙は既に済み、来月は日本の選挙、そして米国は投資家たちが心配している財政の崖がある。



MarketWatch.comには上のようなカウントダウンの時計が掲載されている。財政の崖までの残り時間は、あと34日13時間31分55秒。この時計がゼロになる前に、民主党と共和党が妥協案を成立させる必要があるわけだが、言うまでもなく多くの人にとって、財政の崖は株を積極的に買えない理由の一つになっている。

ということは、今年の残りのマーケットは冴えない展開になってしまうのだろうか。マーク・ハルバート氏(ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト)は、こう語っている。「企業の最高経営責任者、会長、役員などのインサイダーの動きを見て言えることは、今年のマーケットは現在よりも高い位置で終了するだろうということだ。」

ハルバート氏によれば、最近インサイダーたちによる自社株買いが活発になっている。インサイダーが買っている、売っているというデータは、株の動向を判断するための良いデータにはならない、とカレン・ローチェ氏(pragcap.com)は記しているが、ハルバート氏の意見は参考になるようだ。ハルバート氏の話を箇条書きしてみよう。

・ 最新のデータによると、インサイダーによる自社株売り数対自社株買い数の比率は1.58対1だった。ここ10年間の平均は3.4対1だから、現在の数値は平均の半分以下だ。
・ 今年の秋、マーケットがピークに達していたときの比率は6.86対1だった。言い換えれば、二ヶ月前と今日を比較すると、インサイダーたちは自分たちの企業に対しての見方が4倍以上も楽観的になり、これは株式市場にとって好材料だ。
・ 2009年の3月に上げ相場が始まって以来、インサイダーによる自社株売り数対自社株買い数の比率が2対1以下になったことは3回しかない。そしてこの3回に共通しているのは、マーケットの底は、比率が2対1以下を記録した数週間前後に起きている。

S&P500指数の日足チャートを見てみよう。




ハルバート氏の見方が正しければ、11月16日の安値(1)が重要な底になった可能性がある。それでは、上のチャートにMACDを入れてみよう。




MACDのパラメーターは、いつものように3-10-16に設定されている。

・ スローライン(1)はゼロライン(点線)より下だから、マーケットは売り基調だ。

・ ファストライン(2)がゼロラインを突破して、空売りのシグナルが出ている。

ということで現状では売りを考えるわけだが、ひょっとすると、マーケットは11月16日の安値まで下げない可能性がある。

もう一度スローライン(1)を見てほしい。顕著な上昇が始まり、このまま行くとゼロラインを越えて、売り基調から買い基調に転換してしまう。という訳で、ここからの空売りはあまり大きな利益を期待しないほうが良いかもしれない。


(参照したサイト:Insider behavior points to imminent rally

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