アップル株が不調なのは財政の崖が原因?

公益株が大きく崩れている。下は、公益株に投資しているETF、Utilities Select Sector SPDR (XLU)の日足チャートだ。




高配当利回りで、多くの投資家に人気の公益株だが、なぜここにきて売られているのだろうか。大きな理由の一つは財政の崖だ。

財政の崖: 年明けにかけて、大型減税(ブッシュ減税)失効や歳出の強制削減などが重なり、崖から落下するように米財政が急激に引き締められること。2013年度(12年10月~13年9月)だけで最大6000億ドル(約48兆円)の緊縮財政となる。米議会予算局の推計では「財政の崖」は13年の米実質成長率をマイナス0.5%に押し下げ、失業率を9.1%に悪化させる影響がある。(日本経済新聞から抜粋)

ブッシュ減税のおかげで、キャピタル・ゲイン税は20%から15%への引き下げ、そして配当金に課される税金は35%から15%に引き下げられた。来年早々にブッシュ減税が失効になれば、それぞれの課税率は少なくとも以前の率に引き上げられる可能性があり、言うまでもなく高配当株投資の魅力が半減だ。(再選されたオバマ氏は、富裕層に対する税率の引き上げを既に語っているから、キャピタル・ゲインと配当金に課される税金は予想以上に大きく引き上げられてしまうことを心配する人たちもいる。)

アップル株も最近崩れが著しい。9月の高値から既に20%を超える下落となり、ウォール・ストリート・ジャーナル紙には、こんな比較が掲載されている。


online.wsj.com

アップル株を400ドルで25株買い、547ドル6セントで売却した場合:

・ 400ドルX25株=10000ドル

・ 547ドル6セントX25株=13676ドル50セント

・ キャピタル・ゲイン=3676ドル50セント

それぞれのキャピタル・ゲイン税:

・ ブッシュ減税の場合: 支払う税金は551ドル48セント

・ ブッシュ減税失効後: 支払う税金は875ドル1セント 

キャピタル・ゲイン税が引き上げられる。もし長期にわたって株を保有するつもりが無いのなら、ブッシュ減税の低率が適用される今年中に株を売っておくべきだ。 -- ピーター・ディッシュ氏(投資アドバイザー)
税率が引き上げられる可能性があるから、大きな利益のある株、例えばアップルのような株を売却している。-- ジム・ダニガン氏(PNCウェルス・マネージメント)

財政の崖を避ける方法はないのだろうか?SankeiBizはこう書いている。

議会が減税を延長させる新しい法律を作れば可能だ。でも、与党民主党は富裕層向けの減税延長はやめるべきだと主張するのに対し、野党共和党は続けるべきだと反論している。歳出削減をめぐっても、国防費を減らすのに抵抗する共和党と、社会保障費を減らすのに慎重な民主党の意見が合わない。大統領選と同時に行われた議会選で、上院は民主、下院は共和が過半数を維持し、「ねじれ」議会が続くことになったのも市場の不安をあおっていて、株価も下がっている。

という訳で、しばらくパッとしない相場が続きそうだ。


(参照したサイト:Tax Threat Prompts Selloff

財政の崖」Q&A 減税期限切れ+歳出削減=景気“落下”へ

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