2012年6月8日金曜日

まだまだ続くフェイスブックIPO物語

UBSがナスダックを訴える準備をしている。報道によれば、フェイスブックのIPO(新規株式公開)で、UBSは推定されていた額の約10倍に相当する3億5000万ドルの損を出したようだ。




フェイスブックがナスダックにデビューしたのは5月18日だが、取引早々ナスダックのコンピュータに問題が起きた。私も何人かの個人トレーダーから話を聞いているが、買い注文を入れても取引成立の確認がいつまでたっても届かない。仕方がないので証券会社に電話をすると、ナスダックからの連絡がないため、証券会社自身もフェイスブック株が買えたかどうかが分からない。ということで、多くの人たちは翌日になって、フェイスブック株が買えていたという嬉しくない事実を知った。

UBSも個人トレーダーたちが経験したように、取引成立の連絡がナスダックから直ぐに得られなかったため、こんなことが起きたようだ。

UBSは100万株のフェイスブック買い注文を入れた。買い成立の知らせが直ぐにナスダックから来なかったため、UBSは同様な買い注文を繰り返し入れた。しかし後日、UBSは100万株以上のフェイスブック株が買えていたことを知った。

「明らかにナスダックの不手際だ。取引が成立したかが分からないといった支障が発生した時点で、ナスダックはフェイスブック株の取引を即刻停止するべきだった」、というのが被害を受けた各金融機関からの批判だ。

ナスダック側は不手際があったことを既に認め、6月6日(水)、最高経営責任者は「恥ずかしい出来事であり、業界の皆様にお詫びしたい」、と語っている。更にナスダックは、被害を受けた金融機関に対する賠償として、4000万ドル(現金とトレードの割引)相当の支払いを計画している。

この「トレード割引」にあからさまな不快感を示すのはダンカン・ニーデラウアー氏(ニューヨーク証券取引所最高経営責任者)だ。「ナスダックは自ら犯した過ちを利用して、割引という手段を使って取引高を増やそうとしている。」 (注:ナスダックが計画している4000万ドルの賠償は、証券取引委員会からの承認が必要になる。)

ナスダックとライバル関係にあるニューヨーク証券取引所は、フェイスブックに積極的な勧誘活動を行ったが、フェイスブックが上場先に選んだのはナスダックだった。もしトレードの割引が認可されてしまえば、これがきっかけとなって、金融機関はナスダックでの取引数を増やす可能性がある。そうなれば、場合によっては金融機関のニューヨーク証券取引所離れが起きる可能性もあるわけだから、ニーデラウアー氏があからさまな不快感を示すのは当たり前のことだろう。

ナスダックの不手際で大きな被害を受けた金融機関として、上記のUBS以外ではシティグループ、Citadel LLC、ナイト・キャピタルなどがあり、総被害額は1億ドルを超えるだろう、と報道されていた。しかし今回の報道で分かったことはUBSだけで3億5000万ドルに達し、ナスダックが用意している4000万ドルでは、あまりにも金額が低すぎる。

ここで当然疑問になるのは個人投資家たちはどうなるのだろう?翌日になってフェイスブック株が買えていたことを知った、などというのはまだ良い方で、二日後、三日後に取引成立を知ったという人たちもいるようだ。どちらにしても、これだけは言えると思う。フェイスブックIPOは、今年の株式市場最大のイベントだった。


(情報源:UBS May Have Facebook Trading Loss of $350 Million

Nasdaq Offers $40 Million for Facebook Compensation

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