トイレに関する話

テキサス州に住むジョーさんが、奥さんと奥さんの母親を連れてレディー・フットロッカー(スポーツ用シューズ小売店)へ買い物に行った。奥さんの母親は70歳を超えており、尿漏れを防止するための下着を身に付けている。トイレに行きたくなった奥さんの母親は、店員にトイレを使わせてほしい、と頼んだ。しかし店員は、「トイレは店員専用であり、店の規則に反するから店員以外の者に使用させることはできない」、と答えた。もう一度懇願したが店員の答えは「ノー」。仕方ないので、彼女はレディー・フットロッカーを出て、JCペニー(百貨店)へ向かった。JCペニーに入って直ぐ、彼女は店員に「トイレはどこか」、と尋ねた。「あちらです」、と店員が指差す方向に彼女は歩き始めたが、トイレに着く前に漏らしてしまい衣類を汚してしまった。買い物客がいる百貨店の中で漏らしてしまったわけだから、彼女はさぞ恥ずかしい思いをしたことだろう。ジョーさんの奥さんは、母親を連れてトイレに入り、母親の体を拭くのを手伝った。

レディー・フットロッカーの店員は思いやりを欠いている、と多くの人たちは感じるのではないだろうか。会社の規則でトイレは店員専用であることは分かる。しかし状況が状況なのだから、この高齢者の女性の懇願を受け入れて、店員専用のトイレを彼女に使用させるのが道理ではないだろうか。高齢の両親を持つ人なら分かる筈だが、老いてくると若い頃のように尿を我慢することができない。「悪いけどトイレに行ってくる」、とすまなそうに言う親の顔を見ると、歳を取ることの厳しさのようなものを感じる。

読者たちのコメントを見てみよう。

・要するに問題は責任懸念だ。もし客に店員専用のトイレ内で事故があった場合、店側の責任が問われる。場合によっては社則を破ったことで店員は首になる可能性もあるわけだから、この店員は社則を優先するしかなかった。( FatLynnさん)
・ジョーさん、レディー・フットロッカーへ行って、汚れたオムツを店員に投げつけてやれ。(donjumpsuit)
・奥さんの母親は本当に気の毒だったと思う。私も小売店で働いていたことがあり、私の店のトイレも店員専用だった。店員専用のトイレは奥にあり、そこへ行くには店の貴重品などが置かれている部屋を通る必要があり、店員以外の人たちにトイレを使わせるのは不可能だ。(Adam Wさん)
・私は小売店を経営しているから、なぜトイレは店員専用なのかを説明することができる。店の裏には、多くの高価な機器が保管されており、関係者以外が入って来た場合、盗難の心配をしなくてはいけない。それに、店員専用のトイレで客がケガをしようものなら、それは店側の責任になってしまう。(az123さん)
・私の勤めていた宝石店のトイレも店員専用だった。店員以外の者にトイレを使用させないのは保険だ。関係者以外の者に店員専用のトイレを使わせ、店の奥に置いてある宝石を盗まれた話など保険会社は聞いてくれない。(Roseさん)
・レディー・フットロッカーのような出来事が起きてしまうのは、一部の無責任な人たちと弁護士が原因だ。(JusticeGustineさん)

アメリカにはsue-happyという言葉がある。 訴訟好きという意味になるが、何かあると直ぐに訴えるのがアメリカだ。老人から懇願されれば、誰だって「どうぞトイレをお使いください」、と言うことだろう。しかしsue-happyの国だから、どんなことが起きるか分からない。読者の書き込みにあるように、もし店員専用のトイレ内で事故などあれば、家族が店を訴える可能性がある。人道的には店員専用のトイレを使わせることが正しい。しかし万が一のことを考えると、そう簡単に「どうぞお使いください」、と言うことなどできない。たかがトイレなのだが、けっこう厄介な話だ。





(情報源:How Strict Should Stores Be About Employees-Only Bathrooms?

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